04.中部地方

2016年5月29日 (日)

ゴジラ60周年ロケ地巡り~『ゴジラvsモスラ』①・『モスラ対ゴジラ』②(名古屋)


今回ご紹介するのは、1992年12月12日に公開されたシリーズ第19作『ゴジラvsモスラ』です。本作は、前作『ゴジラvsキングギドラ』劇場公開時に上映された後づけ特報で製作が告知され、劇場が喚起に沸きました。私自身も、「いよいよ昭和と同じ怪獣ブームの再来か!?」「スタッフはまた大森・川北コンビで?」「小美人は出るのか? Winkか?」と期待に胸を膨らませる一方、「わずか一年の製作期間で大丈夫なのか?」と若干の不安を抱いた記憶があります。ちょうど、ハリウッド版ゴジラの続編についてさまざまな情報が流れている今の状況と似ています。

マイナビニュース「『GODZILLA ゴジラ』続編決定!ラドン、モスラ、キングギドラ登場にファン熱狂」
http://news.mynavi.jp/news/2014/07/27/082/

映画.com「米レジェンダリーが『キングコングVSゴジラ』を企画中?」
http://eiga.com/news/20150914/9/

シネマトュデイ「『GODZILLA ゴジラ』続編、ギャレス・エドワーズ監督がまさかの降板!」
http://www.cinematoday.jp/page/N0082686

結果的に、前作の大森一樹監督は脚本のみの参加となり、個人的にはちょっぴり残念ではあったのですが、「極彩色の大決戦」というキャッピコピーで封切られた『ゴジラvsモスラ』は、平成ゴジラシリーズで最多の420万人という観客動員を達成。配給収入も22億2千万円を記録し、1993年度の日本映画興行ベスト10で堂々の第1位という快挙を成し遂げたのは皆さんもご存知の通りかと思います。

◆名古屋城
『ゴジラvsモスラ』(1992)より
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さて、ロケ地へと移ります。まずは、バトラの幼虫が名古屋城を襲撃するシーンから。言わずもがな『モスラ対ゴジラ』のオマージュカットです。モスゴジ編は以前に取り上げていますので、見比べていただけると面白いかと思います。本編では、よく見ると手前にエキストラに混ざって逃げる川北紘一特技監督の姿も見えます(^^)

ゴジラ60周年ロケ地巡り~『モスラ対ゴジラ』①(名古屋テレビ塔・名古屋城ほか)
http://tokusatsu.way-nifty.com/blog/2014/08/60-c117.html

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続いて正門。これもオマージュカットですが、予告編でこのカットを見たときは「おおっ!」と思いました。アナログ合成でこのクオリティは凄いです。

(2003年7月20日撮影)

◆名古屋市役所・愛知県庁
『モスラ対ゴジラ』(1964)より
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ここ最近は仕事で名古屋を訪れる機会が増え、お陰様で市内のロケ地を巡ることができるようになってきました。ということで、前回不完全燃焼だった『モスラ対ゴジラ』のスポットも補完していきます。こちらは、倉田浜干拓地からゴジラが出現したと伝えるアナウンスが街中に響き渡るシーンに登場する名古屋市役所を本編と同アングルで。竣工は1933年で、国の重要文化財に指定されており、映画やテレビドラマのロケ地としてもよく利用されるそうです。

参考:名古屋観光情報「名古屋ど定番ロケ地めぐり」
http://www.nagoya-info.jp/view/model/post_2.html

『小さき勇者たち~ガメラ~』(2006)より
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以前の記事にトラックバックしてくださった「ガメラ医師のBlog」さんの情報によると、『小さき勇者たち~ガメラ~』でも霞ヶ関の内閣府のシーンに使用されたとのこと。当時、ロケに参加された方のブログ記事もありました。

PAMI-rohさん「小さき勇者たちガメラ 2005/08/13 名古屋市役所、名古屋地下街ユニモールロケ」
http://pami.gonna.jp/kaiju/gamera/168/

『モスラ対ゴジラ』(1964)より
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例によっていきなり脱線してしまいましたが、こちらは名古屋市役所の隣りにある愛知県庁を本編と同アングルで。1938年竣工で、やはり国の重要文化財に指定されています。今も本編同様、奥に名古屋テレビ塔が見えます。

(2015年10月14日撮影)

◆名古屋テレビ塔・久屋大通公園周辺

そのテレビ塔周辺へとやってきました。

『ゴジラvsモスラ』(1992)より
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バトラがテレビ塔へと近づくこのシーンは、久屋大通と錦通が交差する辺りでの撮影。木々は成長していますが、今もほとんど変わっていません。【A】

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続いて地下鉄栄駅の13番出入口付近。後述する「中日ビル」のすぐそばです。看板と歩道の様子が若干変わっていますが、概ね公開当時のままです。【B】

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こちらが「中日ビル(中部日本ビルディング)」です。竣工は1966年。最上階の回転レストランは現在営業はしていないようですが、いかにも1960年代という感じです。

『小さき勇者たち~ガメラ~』(2006)より
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『小さき勇者たち~ガメラ~』ではジータスが襲撃しました。夏季限定で営業する屋上のビアガーデンでロケが行われています。【C】

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2016年も9月10日まで営業中!

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「中日ビル」のはす向かいにある地下鉄4番出入口からは、名古屋に着いた透たちが地上に出てきました。【D】

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この辺はあまり変わりがないですね。本編と影の向きが一致していますが、これを撮影したのは朝です。なので、本編も早朝に撮影されていると思われます。透役の富岡涼君は同時期に『Dr.コトー診療所2006』にも出演していましたが、以後見かけませんね。今どうしているのでしょうか…。

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透が見上げたところには、実際にジーダスの上陸を知らせた街頭ビジョンがあります。撮影当時は「ジェトロ名古屋輸入車ショールーム」でしたが、映画の公開を待たず2005年12月に閉館。現在は「SMBCパーク 栄」となっています。

サカエ経済新聞(2005年11月22日付)「ジェトロ、名古屋輸入車ショールームを閉館へ」
http://sakae.keizai.biz/headline/53/

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こちらは大人の足ナメのちょっと凝ったアングル。

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交差点の向かい側にある16番出入口で撮影されています。凝ったアングルだったのは、引いて撮ると見える範囲が広がってしまい、それだけエキストラ集めや交通規制が大変になるからだったのでしょうね。【E】

『モスラ3 キングギドラ来襲』(1998)より
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なお、この付近の上空は『モスラ3』でキングギドラが通過しました。【F】

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実際は「松坂屋名古屋店」北館屋上からのアングルと思われます。【G】

『モスラ対ゴジラ』(1964)より
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さて、話を再びゴジラに戻して『モスラ対ゴジラ』から、テレビ塔に接近するゴジラのシーン。場所は地下鉄久屋大通駅の1番出入口を上がったところです。【H】


久々にご紹介する私のロケ地探訪のバイブルの一つ、野村宏平著『ゴジラと東京 怪獣映画でたどる昭和の都市風景』によると、本編に映る協栄生命は2000年に破綻。現在は「ジブラルタ生命名古屋錦ビル」になったとのことでした。

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現在のビルは1994年に建て替えられたものですが、どことなく公開当時と変わらぬ雰囲気を醸し出しているのがうれしいです。

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観光客がテレビ塔から逃げるシーン。同ポジションは叶いませんでしたが、駐車場側から見た現在の様子と比較。【I】

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現在のテレビ塔の足元。

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テレビ塔に迫るゴジラ。先の協栄生命のビルに迫るカットとのつながりを考えると、駐車場付近から南東方向を見上げたアングルということになります。【J】

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テレビ塔を前に転回するゴジラ。立っているのはちょうど駐車場付近です。【K】

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テレビ塔に尻尾を丹念に引っ掛けるゴジラ。敵だと思ったのでしょうか。何か意図のようなものを感じます。ところで、実際に歩いて検証してみると、テレビ塔をさまざまなアングルから捉えていることがわかります。それに応えられるミニチュアセットを構築しているところが往年の東宝特撮の凄いところです。【L】

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バランスを崩して工事中のビルに突っ込むゴジラ。【M】

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そのビルは「名古屋パナソニックビル」です。しかし、ゴジラはともかく、テレビ塔がこの角度で倒れ込んでくるのは位置関係としてはおかしいです。実際には右側から倒れてくるはずです。

『モスラ3 キングギドラ来襲』(1998)より
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ゴジラが倒れ込んだ場所は、『モスラ3』のロケ地でもありました。【N】

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撮影場所は久屋大通公園内の「ロサンゼルス広場」です。名古屋市とロサンゼルス市は姉妹都市ということで、ハリウッドのチャイニーズ・シアターを模して、マリリン・モンローをはじめとしたスターの手形と足形のレプリカが設置されています。

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ゴジラ、バトラに続いてキングギドラの襲撃を受けるテレビ塔。久屋大通に架かる「セントラルブリッジ」なめのアングルです。こうして見ると、ややオーバースケールですね。【O】

『小さき勇者たち~ガメラ~』(2006)より
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またまた『小さき勇者たち~ガメラ~』から。ガメラ(トト)がジータスと再戦したのも、実はテレビ塔付近でした。【P】

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袋町通から見上げたアングルで、本編ではビルに隠れていますが、左手にテレビ塔があります。両サイド奥の建物は、実際は久屋大通に面して立っているのですが、本編では合成で1棟ずつ追加され奥行きが増しています。

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この作品では、久屋大通沿いの歩道に瓦礫を積み上げての大掛かりな撮影も行われています。【Q】

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アパホテル〈名古屋錦〉EXCELLENT」の1Fにある大和証券前です。この8B出入口から3人の少年たちは地下へと入っていくのですが……

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2014年9月 1日 (月)

ゴジラ60周年ロケ地巡り~『怪獣大戦争』①・『空の大怪獣ラドン』(富士宮・天神・中洲)

今回ご紹介するのは、1965年12月19日に公開されたシリーズ第6作『怪獣大戦争』です。


同年8月8日には『フランケンシュタイン対地底怪獣』が、11月27日には大映の『大怪獣ガメラ』が公開され、さらに年明けの1966年1月2日からはTBS系列で空想特撮シリーズ『ウルトラQ』が放映されるという、誠に羨ましい時代の怪獣映画です。


『怪獣大戦争』は従来の怪獣映画の流れと、『地球防衛軍』(1957)や『宇宙大戦争』(1959)といった東宝のSF超科学戦争映画の流れをドッキングさせたものです。田中友幸プロデューサーはこれまでにも、日米を代表する2大怪獣を対決させた『キングコング対ゴジラ』(1962)、東宝のスター怪獣を対決させた『モスラ対ゴジラ』(1964)、そして3大スター怪獣が共闘する『三大怪獣地球最大の決戦』(1964)と、既存の企画やキャラクターを掛け合わせた作品でヒットを飛ばしてきましたが、今回もその一例といえるでしょう。そういった意味では、近年、東映が繰り広げている仮面ライダーやスーパー戦隊シリーズにおけるコラボ作品の数々も、発想は同じなのかもしれません。

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※2点とも東海道新幹線から撮影した実景にフィギュアを合成したイメージです

さて、また前置きが長くなってしまいましたが、『怪獣大戦争』のロケ地巡りの話に移ります。実は、本作のロケ地をご紹介するのにあたって、どこをご紹介しようかと悩みました。先述の通り、ゴジラのライバルが増えたことが影響しているのか、ゴジラシリーズでは『怪獣大戦争』以降、名所旧跡の破壊シーンが激減したからです。本作では、X星人に操られたゴジラが街で大暴れするシーンがありますが、富士山の麓とはわかるものの、ロケ地の特定に難航していました。


そこに現れたのが、つい先日発売されたばかりのこの本、野村宏平著『ゴジラと東京 怪獣映画でたどる昭和の都市風景』です。ゴジラシリーズをはじめとする、東宝特撮作品のロケ地が数多く紹介されています。私が知らなかった聖地がいくつも取り上げられていて、まだまだ上には上がいるなと、興味深く拝読しました。

◆富士山本宮浅間大社
『怪獣大戦争』(1965)より
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この本によると、『怪獣大戦争』の主なロケ地として霞ヶ関から見た国会議事堂や、「世界教育社」があったとされる丸の内の「三菱商事ビル別館」(現在は建て替えられています)が紹介されており、さらに、ゴジラ・ラドン・キングギドラが襲撃する場所が静岡県富士宮市の富士山本宮浅間大社近辺であると紹介されています。さっそくGoogleマップで確認すると、なるほどその通りでした。私も機会があれば行ってみようと思います。


大きな地図で見る

とはいえ、これだけだとあまりに手抜きでオリジナリティがありません。そこで今回もかなり強引ではあるのですが……

『怪獣大戦争』(1965)より
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ラドンの襲撃シーンに突如現れるこのカットに着目。そう、1956年に公開された『空の大怪獣ラドン』からの流用カットです。そこで……

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2014年8月16日 (土)

ゴジラ60周年ロケ地巡り~『モスラ対ゴジラ』①(名古屋テレビ塔・名古屋城ほか)

今回は、ゴジラ誕生10周年となる1964年(昭和39年)4月29日に公開された『モスラ対ゴジラ』から、名場面の名古屋テレビ塔と名古屋城破壊シーンのロケ地を中心にご紹介します。

とはいえ、私が訪れたのはもう11年も前のことなので(私自身、そんなに経っていたという感覚はないのですが…)、現在の風景と変わっている部分があるかもしれません。その場合はご容赦ください。

◆名古屋テレビ塔
『モスラ対ゴジラ』(1964)より
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倉田浜干拓地(架空の場所)から上陸し、四日市コンビナートを襲撃した後、名古屋へとやってきたゴジラがテレビ塔を襲うシーンです。前回ご紹介した『キングコング対ゴジラ』では、国会議事堂や熱海など、怪獣が登場する舞台を丸ごとミニチュア化していましたが、本作では実景の中に怪獣を合成し、ミニチュアセットで撮影したカットと巧みにカットバックする手法が採られています。


先日発売されたばかりの池田憲章・著『怪獣博士の白熱講座 ゴジラ99の真実』によると、前年の1963年6月に「新鋭の3ヘッドで3本のフィルムを自在に合成できる“1900シリーズ・オックスベリー・オプチカルプリンター”が東宝撮影所の特技センターに輸入、設置された」とあり、同年公開の本多猪四郎監督の『マタンゴ』(1963)で初使用されたそうです。 『モスラ対ゴジラ』でも、その威力が遺憾なく発揮されたというわけですね。


ただ、円谷英二特技監督は、この新鋭3ヘッド・オプチカルプリンターでも満足できなかったのか、自身が興した円谷プロダクション初のテレビシリーズのために、資金のあてもないまま4ヘッドのオプチカルプリンターを発注し、それをTBSが肩代わりして『ウルトラQ』の制作がスタートしたというのは、ファンの間では有名なお話です。円谷英二の特撮への拘りが伺えるエピソードだと思います。

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さて、「名古屋テレビ塔」の話題に戻ります。テレビ塔は、Webサイトによれば1954年6月に開業し、今年は何とゴジラと同じ60周年を迎えているそうです。

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ゴジラの尻尾がテレビ塔に絡みつくシーン。今なら必ず同ポジションを狙うところですが、撮影当時は観光がメインでした(^_^;)

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「名古屋テレビ塔」の高さは、同じくゴジラが破壊した「さっぽろテレビ塔」よりもわずかに高い180m(さっぽろテレビ塔は147.2m)です。

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倒壊したテレビ塔がゴジラに激突してしまうシーン。カメラを傾けてみました。テレビ塔はこの後、同じ東宝怪獣のバトラやキングギドラにも破壊されます。いずれもモスラ絡みです。

『ゴジラvsモスラ』(1992)より
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『モスラ3 キングギドラ来襲』(1998)より
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実際のテレビ塔は、度重なる怪獣の襲撃というよりも、2011年のアナログ放送終了によってテレビ局からの収入源が減ったことで経営難に陥っているそうです。2012年からは、マルチメディア放送「NOTTV」が開局し、再び放送の電波塔としての役割を継続しているとのことですが、名古屋のシンボルとして、そしてゴジラの聖地として(余談ですが、2008年に「恋人の聖地」としては認定されています)、今後もぜひ存続をお願いしたいです。

◆名古屋城
『モスラ対ゴジラ』(1964)より
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大阪城熱海城に続いてゴジラに破壊された名古屋城。関ヶ原の合戦後、江戸幕府を開いた徳川家康が、1609年に幕府の東海道の要所として、また、豊臣方への備えとして、北国・西国の諸大名に普請を命じ、1610年に着工。1612年に完成させた平城です。以後は、明治維新を迎えるまで徳川御三家の筆頭尾張家の居城として利用されました。

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名古屋城は、1945年の名古屋大空襲によって、天守閣を含む大半が焼失してしまいました。現在の天守閣は1959年に再建されたものです。映画公開当時は、再建後5年しか経っていなかったわけですが、現在は木々が成長し、生い茂っています。

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こちらは正門です。公式Webサイトによると、明治時代に旧江戸城内の蓮池御門を移築したものなのだそうです。この正門も天守閣同様、名古屋大空襲によって焼失し、1959年に再建されたものです。

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大天守閣(右)と小天守閣(左)の間から顔を覗かせるゴジラ。天守閣の屋根は銅でできており、現在は酸化して緑色になっています。なお、カメラが立っている場所は、2009年から本丸御殿の復元工事が行われており、完成すると同じポジションでの撮影は難しいかもしれません(本丸御殿は2018年に完成予定)。

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ゴジラが足を滑らせた濠。この辺りも現在は鬱蒼とした感じです。

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見事に崩されてしまった天守閣。手前の櫓は「西北隅櫓」で、戦災を免れた名古屋城の数少ない重要文化財です。ゴジラの破壊からも免れたわけですが、その3年後……

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2014年8月 2日 (土)

ゴジラ60周年ロケ地巡り~『キングコング対ゴジラ』(国会議事堂・熱海城)

今回は、シリーズ第3作『キングコング対ゴジラ』から、国会議事堂と熱海城をご紹介します。


前作『ゴジラの逆襲』から7年後、1962年(昭和37年)8月11日に公開された東宝創立30周年記念作品で、観客動員数はゴジラシリーズ最高の1255万人を記録。シリアスに描かれた前2作とは異なり、日米を代表する2大怪獣の激闘を、シリーズ初のカラー・ワイド画面(東宝スコープ)で描く痛快娯楽大作です。

◆国会議事堂②
『キングコング対ゴジラ』(1962)より
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オリジナル版の『キングコング』(1933)よろしく、女性(ふみ子/演:浜美枝)を手にしたまま国会議事堂へ向かう東宝版キングコング。初代ゴジラに破壊された国会議事堂が再び登場します。

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本作の議事堂はすべてミニチュアで描かれており、当時の東宝特撮スタッフの自信がうかがえます。

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現在の国会議事堂は、1936年(昭和11年)に完成したそうです。向かって左側が衆議院、右側が参議院です。

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中央塔によじ登ったキングコング。前回も書きましたが、議事堂周辺は警察の警備が物々しくて、同ポジ探しも及び腰になってしまいます…。

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麻酔弾で眠らされるキングコング。現地写真のフレームの外には警察官がいて、これ以上の接近は厳しい状況でした。国会議事堂は、平日なら見学が可能とのことで、はとバスの観光コースにも入っているので、機会があれば正式なルートで見学してみたいと思います。

(2014年6月25日・7月16日撮影)

◆熱海城
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つづいて、クライマックスの熱海のシーンです。驚いたことに、このシーンもすべてミニチュアで描かれています。RKO社(オリジナル版を製作したアメリカの映画会社)へのキングコングの使用料にお金を使いすぎたのでしょうか?
ちなみに、本編左手前に見える松の木は……

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熱海の観光名所の一つである「お宮の松」だと思われます。尾崎紅葉の新聞小説『金色夜叉』の中で、間寛一とお宮の別れの場面の舞台になった場所といわれています。熱海市のWebサイトに詳しく紹介されています。
http://www.city.atami.shizuoka.jp/page.php?p_id=255

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親水公園(熱海サンビーチ)から熱海城を望む。

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錦ヶ浦山頂にそびえる熱海城を囲むゴジラとキングコング。茂みの関係で同ポジションからの撮影が難しかったので、撮影可能なポイントから比較的似たようなイメージで。

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『キングコング対ゴジラ』が公開された昭和30年代当時、熱海は新婚旅行のメッカとしてに賑わい、多くの宿泊・観光施設が建設されたそうです。熱海城もその一つで、歴史的に存在したお城ではありません。

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公式Webサイトによると、1959年(昭和34年)に築城されたとあります。

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もつれ合いながら海に転落する2大怪獣。現地写真は熱海城天守閣展望台からの眺めです。この位置からカメラを左側に向けると……

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ご覧のように熱海市街を一望できます。ところでこの景色、どこかで見たような気がするなと思ったのですが……

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2013年2月24日 (日)

特撮ロケ地巡り~伊豆半島編⑤(城ヶ崎海岸・熱川バナナワニ園ほか)

さて、撮り溜めた伊豆半島ロケ地巡りシリーズもいよいよ終盤です。
今回は東映特撮作品によく出てくる城ヶ崎海岸を中心に、熱川やその他のロケ地をご紹介して、伊豆半島編をいったんひと区切りしたいと思います。

◆城ヶ崎海岸
『轟轟戦隊ボウケンジャー』オープニング(2006)より
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『轟轟戦隊ボウケンジャー』オープニングの戦闘イメージカットは、城ヶ崎の名所ともいえる「門脇吊橋」で撮影されています。

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城ヶ崎海岸は、平成仮面ライダーシリーズや一般のドラマでも何度か見かけた記憶がありますし、旅番組でもよく紹介される有名な観光スポットです。

『仮面ライダー』第15話「逆襲サボテグロン」(1971)より
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『仮面ライダー』の第15話では、ショッカーアジト(前回紹介したシャボテン公園)への正面からの突入を断念した滝和也が、裏から潜入するシーンに出てきます。橋は掛け直されたのか、現在とは形状が異なります。吊り橋にぶら下がっているのは、演じている千葉治郎さんご本人(千葉真一さんの実弟)。まさに命がけの撮影、かと思いきや…

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2013年2月17日 (日)

特撮ロケ地巡り~伊豆半島編④(シャボテン公園・大室山)

閑話休題。再び、伊豆半島ロケ地巡りのレポートです。
といっても、今回は10年も前の話を引っ張り出してくるわけなんですが…。
写真の整理ができたのがつい最近だったもので(^_^;)

訪れたのは「伊豆シャボテン公園」。
『ウルトラマン』をはじめとする円谷プロ作品や、『仮面ライダー』などの東映作品でよく使われた有名なロケ地です。

公式サイトによると、開園は1959年(昭和34年)と古く、皇室や各国来賓もたびたび訪れているようです。名前だけだと植物園のようなイメージがありますが、「東京農業大学の教授でありました故近藤典生博士が、動物・植物との共生共存を理念に設計されました」とあるように、サボテンや多肉植物以外にも、カピパラ、チンパンジー、リスザルといった多数の動物が飼育されています。

◆伊豆シャボテン公園
『仮面ライダー』第15話「逆襲サボテグロン」(1971)より
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メインゲートに向かう道の途中にそびえる門柱(?)は、ショッカーアジトの入口として使われています。戦闘服着たまま検問してたら、明らかに怪しいと思うんですが…。

『ウルトラマン』第20話「恐怖のルート87」(1966)より
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ファーストカットです。小学6年生の頃(1986年頃)にやっていたTVの再放送やビデオ版では気がつかなかったのですが、デジタルリマスタリングされたDVDで観て、初めて気づきました。場所は、下の地図で緑の矢印を打っている場所になります。

大きな地図で見る

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同じく「恐怖のルート87」より。園内の「高原竜の像」(公式サイトの記載)が、高原竜・ヒドラのモデルとして登場します。この像は「シャボテン温室」への通路となっているのですが、老朽化が激しく、現在はコンクリート片の落下を防ぐためか、ちょうど顔の真下にある入口に屋根が設置されています。

『仮面ライダー』第15話「逆襲サボテグロン」(1971)より
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「逆襲サボテグロン」より。こちらは、高原竜がショッカーのシンボルとして使われています。わかりやす過ぎっ!

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ショッカーの戦闘員に変装して、アジトに潜入する滝和也。現在は像の周りでアフリカハゲコウが放し飼いにされていて、関係者以外立ち入り禁止です。

『ウルトラマン』第20話「恐怖のルート87」(1966)より
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そういう理由で、背後の様子は「シャボテン温室」から撮影。

『ウルトラマンA』第31話「セブンからエースの手に」(1972)より
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ここでも、少しですが像の背後が映っています。ちなみにこの『ウルトラマンA』では、超獣サボテンダーの回ではなく、超獣バクタリ(動物園で飼育されていたバクが変異した超獣)の回で「シャボテン公園」が使われています。

『ウルトラマン』第20話「恐怖のルート87」(1966)より
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『ウルトラマン』では交通事故(ひき逃げ)で亡くなった少年が描いたデザインを元に作成した像として、仮面ライダーシリーズでは敵のアジトとして使われるなど、同じ場所でも作品によって趣きがまったく異なるのが面白いです。

『仮面ライダーBLACK』第43話「怪人牧場の決闘!」(1988)より
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ここでは、地下のジオフロントに作られた暗黒結社ゴルゴムの怪人牧場として登場します。この時点で結構黒く汚れてしまっています。

『ウルトラマン』第20話「恐怖のルート87」(1966)より
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ヒドラの登場シーン。本編はミニチュアセットです。中央のこんもりした山は大室山です(後述)。

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「恐怖のルート87」のラストカットより。像の右手の丘の上に展望台が見えます。「伊豆シャボテン公園グループ」の公式サイト「公園の歴史」には、1965年に「『回転式展望台』完成公開」とありましたので、おそらくそれだと思うのですが、2003年に訪問したときには、すでに取り壊されていました。

『仮面ライダーBLACK』第43話「怪人牧場の決闘!」(1988)より
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1988年の時点ではまだあったようです。それにしても、木々の成長が凄い。

ところで、この「高原竜の像」。『ウルトラマン』では破壊を免れていますが、仮面ライダーシリーズにおいては…

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2013年2月11日 (月)

特撮ロケ地巡り~伊豆半島編③(淡島・『ウルトラQ』との出会い)

前回ご紹介した下田から石廊崎を経て、2004年ゴールデンウィークの伊豆半島ロケ地巡りの締めに訪れたのは淡島です。ここは『ウルトラQ』第2話「五郎とゴロー」の冒頭シークエンスのロケ地です。

◆淡島
『ウルトラQ』第2話「五郎とゴロー」(1966)より
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第2話のファーストカット。この日は残念ながら富士山は見えませんでした…。
撮影ポイントは、下の地図で緑の矢印を打っている場所になります。

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巨猿・ゴローが海上ロープウェイのロープにぶら下がるシーン。

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淡島は、駿河湾に浮かぶ小さな島で、「ウィキペディア」によると、戦時中には海軍の軍事施設があったそうです。本編でゴローは、旧日本軍が使用していた特殊栄養剤「青葉くるみ」を食べ、巨大化したという設定ですが、この場所がロケ地に選ばれたのは、そういった背景も関係しているのでしょうか。
ちなみに現在、島内には「淡島マリンパーク」という水族館や「淡島ホテル」があり、リゾート地の印象が強いですが、いずれも1980年代以降に開業しており、『ウルトラQ』制作当時にはなかったものです。

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続いてロープウェイのりばです。建物が少し変わってしまっているように見えます。

(2004年5月1日撮影)

…が、いま思うと調査不足だったかもしれません。

というのも、この記事を書くのにあたって、淡島について再度いろいろ調べたところ、実際には私が撮影した外観写真には写っていない、建物の左側面が撮影に使用されていた可能性があることがわかったのです。その左側面の様子は、下記のサイトやブログにて確認できます。本編では、上部こそゴローとの合成で切り取られていると思われる部分がありますが、建物の感じは良く似ています。

たわたわのページさん「海上散歩、淡島海上ロープウェイ1」
http://www.tawatawa.com/densha6r/page003.html

『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)さん「あわしまマリンパークのロープウェイ(静岡県沼津市) 」
http://blogs.yahoo.co.jp/s_limited_express/17841717.html

なお、「淡島海上ロープウェイ」は、老朽化のため2008年頃から運休し、現在は廃止されてしまったそうです。帰りの新幹線の時間が迫っていたとはいえ、乗らずに帰ったことを後悔しました。在りし日の様子は、YouTubeにアップされています。

sakudofanさん「歓喜の索道(Aerial Tramway in Japan)」より

余談ですが、この第2話「五郎とゴロー」は、私が『ウルトラQ』で初めて出会った作品でした。映像を初めて観たのは、小学4年生の頃(1984年頃)に大阪の朝日放送で深夜にやっていた再放送(もちろん録画)ですが、それよりも少し前に、音で聞いたのが最初でした。

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2013年2月 3日 (日)

特撮ロケ地巡り~伊豆半島編②(下田周辺のロケ地あれこれ)

今回も前回に続き、静岡県下田周辺のウルトラシリーズのロケ地をご紹介したいと思います。訪れたのは9年前(!?)、2004年のゴールデンウィークです。

◆下田温泉ホテル(現・伊東園ホテルはな岬)
『ウルトラマン』第10話「謎の恐竜基地」(1966)より
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ゴジラの着ぐるみを改造したジラースが登場する回です。
クレジットにある「下田温泉ホテル」は、本編でムラマツキャップから特別休暇をもらったハヤタ・イデ・アラシが宿泊するホテルとして登場します。現在は「伊東園ホテルはな岬」となっています。

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本編で、カメラは窓が開いている4階にズームしますので、3名は4階に泊まったことになります。

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窓の上下にあるライン(当時は木製?)や、玄関の様子が変わっています。「はなみさき」という名称も後になって付けられたのでしょうか。

なお、私が最初に訪れたのは2004年4月30日ですが(写真も同日撮影)、この頃はまだ伊東園ホテルグループではなかったようです。

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2007年5月に付近を通った際には、伊東園ホテルグループとなっており、建物の塗装も変わっていました。

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2013年1月13日 (日)

特撮ロケ地巡り~伊豆半島編①(ウルトラセブンのロケ地を訪ねて)

遅ればせながら、あけましておめでとうございます!
今年も『気まぐれ特撮道』をよろしくお願いいたします。

さて、現在WOWWOWでは「ウルトラ三大プロジェクト」ということで、ウルトラシリーズが盛り上がっていますね。一昨日からは『ネオ・ウルトラQ』の第1話も始まりました。そして、『ウルトラマン』に続き『ウルトラセブン』の「ハイビジョンリマスター版」も放映中です。

私は残念ながらWOWWOW未加入なので視聴できないのですが(>_<)、いずれの作品も第1話は無料放送で拝見しました。特に『ウルトラセブン』は、45年前の作品と思えないくらい美しかったですね。Webサイトで紹介されている特集コラムも興味深いです。

ウルトラセブンといえば、昨年『ウルトラセブン研究読本』(洋泉社)が出版されました。年末年始に読んでいたのですが、この手のジャンル本の中では近年に稀にみる取材量で、初めて知る事実も多く、編集に携わった関係者のみなさんの愛を感じる一冊でした。Amazonではプレミアがついてますね。

いま、“ウルトラセブンが熱い!”ということで、今回はウルトラセブンのロケ地巡りをご紹介してみようと思います。とはいえ、6年前の話になりますが…

◆入田浜
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静岡県下田市にある入田浜。ロケ地巡りでここを訪れたのは6年前のことですが、実はその3年前にもここへ来たことがありました(あれからもう10年が経つなんて…)。そのときは、この入田浜がウルトラセブンのロケ地だということを知りませんでした。

初期ウルトラシリーズのロケ地に関しては、以前にもご紹介した「ウルトラシリーズロケ地探訪」(tuzukiさん)や、「光跡」(Qちゃんさん)が詳しいのですが、そういった諸先輩方のサイトを拝見して、かの名作「ノンマルトの使者」(42話)や、『帰ってきたウルトラマン』の最終回「ウルトラ5つの誓い」のロケ地であったことを後で知り、歯がゆい思いをしたのでした。

いわば後追いのロケ地巡りとなるわけですが、二度目の旅で、私なりにちょっとした新事実も発見できました。

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