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2018年9月24日 (月)

ゴジラ60周年ロケ地巡り~『ゴジラvsスペースゴジラ』①(鹿児島・札幌)

  
今回ご紹介するのは、1994年12月10日に公開されたシリーズ第21作『ゴジラvsスペースゴジラ』です。この年は7月に『ヤマトタケル』が公開され、昭和の特撮黄金期のように1年に2度も東宝特撮映画を楽しめるという、贅沢でワクワクした1年でした。

 
ハリウッドのトライスター版『GODZIILA』の製作遅延でシリーズ続行となり、急遽製作された本作。『平成ゴジラ大全 1984~1995』(白石雅彦 編著)によると、『ゴジラvsスペースゴジラ』の特撮は、1994年6月27日にクランク・イン。例年より2か月近く遅れてのスタートとなったようです。


そのせいか、特撮演出は全体的に大味な感が否めず、特に宇宙空間の描写は操演による力技。同じ川北紘一特技監督が手掛けた『さよならジュピター』のような繊細さを期待していただけにちょっと残念でした(製作条件が異なっているのは重々承知した上での個人的感想です…)

 
しかも、舞台は南海。ミニラならぬリトルゴジラも登場…。かつて昭和のゴジラシリーズが『ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘』や『怪獣島の決戦 ゴジラ息子』で福田純監督を迎え、新たな方向性を求めていったように、『ゴジラvsスペースゴジラ』も平成ゴジラシリーズ6作目にして監督・脚本・音楽といったメインスタッフを一新。転換期を迎えたんだなあと、当時は自分を納得させたものです。とはいえ、久々の新怪獣・スペースゴジラの登場や、ゴジラと人間が絶妙に絡むアクション描写、人間ドラマを重視したストーリー展開など、いま改めて見直すと良くできている作品だと感じます(うんちくが多いですが、結局のところ好きなんです)

SHIROYAMA HOTEL kagoshima(旧城山観光ホテル)
『ゴジラvsスペースゴジラ』(1994)より
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さて、本題のロケ地巡りに移りましょう。まずは鹿児島から。先ほど、特撮のクランク・インは6月27日と書きましたが、『ゴジラ大百科[スペースゴジラ編] 』(学研)に掲載されている、鈴木健二チーフ助監督の特撮撮影日誌によると、地方ロケは6月9日に開始され、最初のカットがこの桜島の合成用の下画だったとのこと。旅行ガイドなどでよく見かける定番のアングルです。

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撮影場所は「城山観光ホテル」(今年5月8日、創業70周年・ホテル開業55周年を記念して「SHIROYAMA HOTEL kagoshima」に屋号を変更)。上層階から撮影されているようです。
鹿児島出張時の仕事場がたまたまここだったのは幸運でした(^_^;)

(2015年3月11日撮影)

天文館
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出張ついでに鹿児島市内の繁華街・天文館へ。本編と同じアングルを探そうと思うと、路上からの撮影になってしまうので難しかったです。ちなみにこれは横断歩道からの撮影。

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歩道から撮影したこちらのアングルの方がまだ近いかな。天文館本通りアーケード周辺は、この写真を撮影した2015年時点ではコカコーラの看板など、映画公開当時の面影が残っていましたが、Googleマップのストリートビューを見ると、現在は少し変わっているようです。

◆山形屋
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続いては、天文館から北東へ500mほど進んだところにある、鹿児島の老舗百貨店「山形屋」です。1998年に外壁工事が行われ、ルネッサンス調のデザインに一新されたため、現在の方が古く見えます。

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エキストラが参加したこちらのシーンも「山形屋」前での撮影。ちなみに“ヤマカタヤ”と読むそうです。

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「山形屋」の創業は1751年。出羽国山形出身の源衛門が、紅花仲買と呉服太物行商を興したのが始まりとされています。その後、薩摩藩の商人誘致政策を機に薩摩入りし、呉服太物店を構え、「山形屋」と称するようになったそうです。

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『ゴジラvsスペースゴジラ』では、スペースゴジラが山形を襲撃しますが、偶然とはいえ不思議な縁を感じます。

◆鶴丸城跡
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「山形屋」からさらに北西へ550mほど進んで、鶴丸城跡へ。

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鶴丸城(鹿児島城)は1601年頃に島津家第18代家久により築城され、以後廃藩置県まで島津氏の居城でした。現在、城跡には「鹿児島県歴史資料センター黎明館」などが建っています。

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天璋院篤姫の像も鎮座しています。現在放映中のNHK大河ドラマ『西郷どん』では北川景子さんが演じてますね。そういえば、彼女のデビュー作について少し触れられている嬉しい記事を見つけました。

「北川景子、『西郷どん』で篤姫に寄り添った一年」(シネマトゥデイ 2018年9月23日付)
https://www.cinematoday.jp/news/N0103747

(2015年2月24日撮影)

◆大通公園
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所変わって、次は札幌です。『ゴジラvsキングギドラ』からわずか3年で再建された「さっぽろテレビ塔」の上空を通過するスペースゴジラ。当ブログでは2度目の紹介です。前回は本編で使用されている情景カットが『vsキングギドラ』の未使用カットではないかと考察しました。詳しくはこちらの記事をご参照いただければと思います↓

特撮ロケ地巡り~札幌編③(テレビ塔~その2)
http://tokusatsu.way-nifty.com/blog/2013/08/2-7ea4.html

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本編で手前に映る噴水は、「大通公園西4丁目噴水」です。このテレビ塔の方角から180度振り返ると……

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2016年1月24日 (日)

特撮ロケ地巡り〜札幌編⑥(『ガメラ2 レギオン襲来』のロケ地を訪ねて)

今回は、ゴジラシリーズから少し離れてガメラシリーズのロケ地をご紹介したいと思います。ガメラシリーズも公開から50周年を迎えましたので、本当は1965年11月27日に公開された第1作『大怪獣ガメラ』から順に追っていきたいところではあるのですが、どうしても先に書き留めておきたいことがありましたので、公開20周年を迎えたこの作品からスタートです。


1996年7月13日に公開された平成ガメラシリーズの第2作『ガメラ2 レギオン襲来』。『平成ガメラパーフェクション』(アスキー・メディアワークス)によると、配給収入は残念ながら10億に届かず7億円に留まったそうですが、1996年度キネマ旬報読者選出日本映画ベスト・テン第6位、第17回日本SF大賞、第28回星雲賞映画演劇部門・メディア部門賞などを受賞して作品的には高い評価を得ており、実際その通りだと私も思います。前作同様のリアルな世界観、そして前作以上に洗練された特撮映像に魅了されました(特に足利戦で火球を吐きながらガメラが着地するカットは秀逸!)。

本作のロケ地に関しては、当ブログですでに何度もご紹介しており、“札幌を訪れれば『ガメラ2』のロケ地巡り”というのが恒例行事のようになっていました。

特撮ロケ地巡り~札幌編①(大通公園・すすきの・狸小路)
http://tokusatsu.way-nifty.com/blog/2012/12/post-e6bd.html

特撮ロケ地巡り~札幌編②(すすきの・テレビ塔・大通公園)
http://tokusatsu.way-nifty.com/blog/2013/08/post-227d.html

特撮ロケ地巡り~札幌編④(大通駅・すすきの)
http://tokusatsu.way-nifty.com/blog/2013/12/post-f294.html

特撮ロケ地巡り~札幌編⑤(中島公園周辺・旧北海道庁)
http://tokusatsu.way-nifty.com/blog/2013/12/post-041d.html

ゴジラ60周年ロケ地巡り~『ゴジラvsキングギドラ』①(福岡・札幌)
http://tokusatsu.way-nifty.com/blog/2015/09/60vs-b0c3.html

ゴジラ60周年ロケ地巡り~『ゴジラvsキングギドラ』③(福岡・札幌~その2)
http://tokusatsu.way-nifty.com/blog/2015/12/60vs2-2214.html

今回ご紹介するのもご多分にもれず札幌(および千歳)なわけですが、珍しく週始めの札幌出張ということで、移動日の休日を利用してちょっと郊外へと足をのばしてみました。

◆キリンビール 北海道千歳工場
『ガメラ2 レギオン襲来』(1996)より
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まずは、新千歳空港にほど近い千歳市長都にある「キリンビール 北海道千歳工場」です。隕石落下から3日目、事件が起きる前の工場外観は正門付近から。現在は左側に建屋が増設されています。

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2名以上なら工場見学ができるそうなのですが、1人ですし、時間に余裕がなかったので残念ながらスルー。

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事件発生後、現場で穂波(演:水野美紀)に連絡を取る渡良瀬(演:永島敏行)。こちらはほとんど変わっていませんでした。

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撮影されたのは、工場北側の原料・物流トラックの専用門を入った辺りだったようです。確かにこちらの方がビール工場っぽい感じはします。

◆交通資料館
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続いて、ロケ地ではないのですが、札幌市南区にある「交通資料館」へ。

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レギオンに襲撃された札幌市交通局2000形が、1999年6月に営業運転を終了したことは以前にも書きましたが、ここにはそのプロトタイプである1000形が保存されています。

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「交通資料館」は5月から9月の期間限定で開館されていますが、展示車両は柵ごしに見ることができます。

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一応、本編と同じように撮ってみました。

◆陸上自衛隊真駒内駐屯地
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実は先の「交通資料館」は、札幌市営地下鉄南北線の自衛隊前駅の高架下にあり、すぐそばには本編冒頭に出てくる陸上自衛隊の「真駒内駐屯地」があります。【A】


ただし、本編で自衛隊の車両が出動する門は駅に近い東側ではなく、豊平川に近い西側の門です。【B】

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本編で見慣れた車両を横目に、雪の中を歩くこと約30分…。

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ようやく目的地に辿り着きました。

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本当はもっと近づきたいところではありますが、防衛省の施設に勝手に入るわけにはいきませんので、この辺であきらめました。ちなみに公式ホームページによると、団体などが事前に申し込めば史料館の見学は可能とのこと。

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門柱などはリニューアルされているようです。

◆真駒内本町3交差点
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続く、支笏湖へ向かう自衛隊車両の走行シーンも駐屯地のすぐ近くで撮影されています。ただ、映画公開当時にあった歩道橋は、現在撤去されていました。【C】

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支笏湖は実際に画面奥の方向にあります。本編はやや高い位置から撮影されていますが、おそらく撤去前の歩道橋の上からのアングルでしょう。ところで、本編の左端に映る「パーラーマコマナイ」ですが……

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2015年12月14日 (月)

ゴジラ60周年ロケ地巡り~『ゴジラvsキングギドラ』③(福岡・札幌~その2)

今年10月と11月、また福岡と札幌へ出張の機会に恵まれたので、『ゴジラvsキングギドラ』でまだ巡れていなかったスポットを中心にロケ地を探訪してきました。

◆中洲周辺
『ゴジラvsキングギドラ』(1991)より
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ここ最近の福岡出張は博多駅周辺での仕事が多かったのですが、今回の出張は久々に中洲川端周辺でのお仕事ということで、宿はキングギドラの影が映るこの「福博であい橋」のカットを撮影したと思われる、「博多エクセルホテル東急」さんに決定。これまで何回もアプローチしてきましたが、今回は川沿いの、しかも割と上層階のお部屋ということで、「やったぜエミー!」と思わずガッツポーズ
どうでしょう。本編はさらに上の階、もしくは屋上から狙っているようですが、ポジション的には近いと思いませんか?

『空の大怪獣ラドン』(1956)より
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こちらも、もはや恒例となっていますが、「西大橋」のラドンの襲撃カットと現地写真の比較です。前回訪れたのは夜だったので…。

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花関ビル」の跡地に建った新しいテナントビル「prato NAKASU(プラート中洲)」です。

◆長浜
『ゴジラvsキングギドラ』(1991)より
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ここからは新ネタです。早朝、仕事前に少し足をのばして長浜へとやってきました。博多港に架かる斜張橋は、福岡都市高速道路の「荒津大橋」(1988年完成)です。

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本編で手前に映る倉庫群は近年取り壊され、現在はマンションになっています。

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屋台『らごす』があったとされる場所付近。

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映画公開当時空き地だった場所は、「長浜鮮魚市場(福岡市中央卸売市場鮮魚市場)」の駐車場出入口となっています。

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本編は高所から俯瞰で撮影されていますが、位置的には向かい側のおそらくこのいずれかの建物から撮影されたものと思われます。

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この周辺は、夜はいわゆる長浜屋台として有名なスポットですが、福岡市の条例によって午前4時には完全撤収する決まりとなっているそうです。私が訪れたのは午前7時過ぎでしたが、通勤の車がビュンビュン通る普通の街といった感じで、ここが屋台街だと言われなければそれとは気づかないような雰囲気でした。

(2015年10月22日撮影)

◆大通公園①
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続いて札幌へ。熱線を吐くゴジラの左手に「たくぎん」と書かれた看板を掲げたビルが見えます。1997年に経営破綻してしまった北海道拓殖銀行です。本編のビルは、位置的にはその旧本店と思われますが、ウィキペディアの写真を見ると、建物の形状は実際とは大きく異なっていたようです。

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北海道拓殖銀行は北洋銀行に営業譲渡され、現在は「北洋大通センター(大通ビッセ)」となっています。

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ゴジラを迎え撃つメーサー舞台の目線です。朝ですが7:00を狙ってみました。

『日本沈没』第20話「沈みゆく北海道」(1975)より
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こちらは『ゴジラvsキングギドラ』の川北紘一特技監督が特撮を担当した、テレビ版『日本沈没』の第20話から。大通公園に濁流が押し寄せるこのカットは、偶然にも旧北海道拓殖銀行(現「北洋大通センター」)の上空付近からのアングルです。

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同じく第20話から。放映から40年経ちますが、当時の面影が残っていて感動。本編左下に見えるアンテナ塔は、ゴジラが破壊した「北海道電力(通称「ほくでん」)」の本店ビルにあるものです。詳細はこちら↓

ゴジラ60周年ロケ地巡り~『ゴジラvsキングギドラ』①(福岡・札幌)
http://tokusatsu.way-nifty.com/blog/2015/09/60vs-b0c3.html

◆札幌市時計台
『日本沈没』第20話「沈みゆく北海道」(1975)より
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『ゴジラvsキングギドラ』にも札幌を象徴するイメージカットとして登場し、先の記事でもご紹介した「札幌市時計台」。(2013年4月23日撮影)

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今は背後にビルが映り込んでしまいます。

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崩れる時計台はミニチュアで再現されていますが……

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2015年9月 6日 (日)

ゴジラ60周年ロケ地巡り~『ゴジラvsキングギドラ』①(福岡・札幌)


今回ご紹介するのは、1991年12月14日に公開されたシリーズ第18作『ゴジラvsキングギドラ』です。前作『ゴジラvsビオランテ』から1年のブランクがあり、やはりゴジラシリーズは打ち切りかと意気消沈していたところに舞い込んだ朗報。キングギドラの復活、監督と特技監督は前作と同じ大森・川北コンビ。そして、音楽監督には伊福部昭さん。もう昇天しそうなほどワクワクしたのを覚えています。では、さっそくロケ地をご紹介していきましょう。

◆福岡タワー
『ゴジラvsキングギドラ』(1991)より
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まずは、キングギドラが襲撃した福岡から。福岡の地上デジタル放送を支える高さ234mの電波塔「福岡タワー」です。福岡市制100周年を記念し開催された「アジア太平洋博覧会(よかトピア)」のモニュメントとして1989年に完成しました。比較している現地写真は、「ヒルトン福岡シーホーク」からのもの。映画公開当時は更地が多かったタワー周辺も、現在はビルが建ち並んでいます。当ブログでも以前にご紹介していますが、「福岡タワー」は後に『ゴジラvsスペースゴジラ』ではストーリー上、重要なキーとなります。

特撮ロケ地巡り~福岡編②(シーホーク・福岡タワー・マリゾン)
http://tokusatsu.way-nifty.com/blog/2012/10/post-43f1.html

(2011年11月15日撮影)

◆中洲周辺
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中洲周辺のロケ地は、当ブログで以前にご紹介済みです。

特撮ロケ地巡り~福岡編③(中洲)
http://tokusatsu.way-nifty.com/blog/2012/11/post-7a56.html

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キングギドラの影が映る「福博であい橋」は、「博多 エクセルホテル東急」の屋上付近が撮影ポイントだと睨んで、何度かトライしました。

特撮ロケ地巡り~福岡編④(中洲~天神)
http://tokusatsu.way-nifty.com/blog/2013/11/post-0475.html

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「西大橋」上空を通過するキングギドラは博多港寄りの「西中島橋」からのアングル。

(2012年4月10日撮影)

『宇宙大怪獣ドゴラ』(1964)より
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実は『宇宙大怪獣ドゴラ』にも、ほぼ同じアングルから撮影されたカットがあることに、最近気がつきました。ドゴラ襲撃に備えて北九州市を訪れた宗方博士らの宿泊先が博多、という設定でした。

『空の大怪獣ラドン』(1956)より
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「西大橋」はラドンの襲撃も受けていますが、キングギドラの中洲襲撃は、言わずもがなこのシーンのオマージュです。

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「西大橋」のそばにあった「花関ビル」(画面左端のビル)は近年取り壊されてしまいましたが、当ブログではその後の経過を何度かお知らせしてきました。

特撮ロケ地巡り~福岡編⑤(大濠公園~ラドンのロケ地を訪ねて)
http://tokusatsu.way-nifty.com/blog/2013/11/post-b3cc.html

ゴジラ60周年ロケ地巡り~『怪獣大戦争』①・『空の大怪獣ラドン』(富士宮・天神・中洲)
http://tokusatsu.way-nifty.com/blog/2014/09/60-1765.html

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そして昨年秋、遂に新しいビルに建て替わりました。

(2014年10月27日撮影)

◆西鉄福岡(天神)駅周辺
『ゴジラvsキングギドラ』(1991)より
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キングギドラが西鉄福岡(天神)駅周辺を襲うのも『空の大怪獣ラドン』のオマージュ。この付近も先の記事で紹介済みです。

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こちらは駅前にあるファッションビル「イムズ」。非常によくできたカットですが……


東宝 出版事業室発行『東宝SF特撮映画シリーズ VOL.6 ゴジラvsキングギドラ』(1992初版)に掲載されている川北紘一特技監督のインタビューによると、実はミニチュアではなく、石膏板にロケハン時の写真を貼り付けたものなのだそうです。驚きです。

(2013年4月9日撮影)

◆札幌市時計台
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ところかわって、札幌へ。札幌市のシンボルともいえる「札幌市時計台」。本編で鐘の音は7時を告げていますが、映像は6時20分頃に撮影されています。

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時計台は「旧札幌農学校演武場」というのが正式名称で、札幌農学校2代目教頭であったウィリアム・ホイーラーの計画によって、1878年(明治11年)に建設されました。1906年(明治39年)に現在の位置に移設されるまでは、約100mほど北(写真左手)にあったそうです。

◆大通公園・さっぽろテレビ塔
『ゴジラvsキングギドラ』(1991)より
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6時46分を示す「さっぽろテレビ塔」。時計台からの移動距離は550m、歩いて約7分です。ロケ隊も実際に移動したのでしょうか。人々が逃げまどう歩道橋は現在、一部撤去されています。詳細は当ブログにて以前にご紹介済みです。

特撮ロケ地巡り~札幌編③(テレビ塔~その2)
http://tokusatsu.way-nifty.com/blog/2013/08/2-7ea4.html

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ゴジラによって破壊される「北海道電力(通称「ほくでん」)」の本店。

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「さっぽろテレビ塔」の東側にあります。

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実際の建物は、本編のミニチュアと雰囲気が大きく異なります。

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ゴジラに集中攻撃をかけるメーサー車のカットは、大通公園からのアングル。本編では、画面右側に三越の看板が見えます。

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実際の大通公園からは見えませんが、「札幌三越」は実在します(写真右)。

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「さっぽろテレビ塔」を破壊するゴジラ。以前、先の記事にてご紹介したときよりも、より本編に近いアングルを探してみました。

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ところで、地元の百貨店「丸井今井札幌本店」は健在ですが、隣りの「オッペン化粧品」と「救心」のネオンサインはなくなっています。

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倒壊した「さっぽろテレビ塔」が激突するビルは、「紀伊国屋書店」の看板が印象的な「第2有楽ビル」です。

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現在は所有者が変わり、「桂和大通ビル50」という名称に変わっています。また、「紀伊国屋書店札幌本店」は、2005年にJR札幌駅前へ移転しています。

(2015年5月12日撮影)

「“蔵書80万冊”紀伊国屋札幌本店がJR札幌駅前に移転開業」(北海道経済産業新聞)http://dokei.net/conts.php?nid=229

『ガメラ2 レギオン襲来』(1996)より
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ここでちょっと脱線。つい先日、BSプレミアムでも放映されていた『ガメラ2』より、自衛隊車輌が続々と「さっぽろテレビ塔」前の大通公園に到着するシーンです。こちらもすでに当ブログで紹介済みのロケ地となりますが、前回はテレビ塔が塗り替え作業中だったため、リベンジしてきました。本編をよく見ると、画面左端の「第2有楽ビル」(当時)に「紀伊国屋書店」の看板が見えます。

特撮ロケ地巡り~札幌編②(すすきの・テレビ塔・大通公園)
http://tokusatsu.way-nifty.com/blog/2013/08/post-227d.html

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こちらもリベンジカットです。

(2014年11月18日撮影)

『ゴジラvsキングギドラ』(1991)より
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閑話休題。「メーサー部隊が……」とモニター画面を見ながらつぶやく防衛庁長官(演:佐原健二)。モニターに映るゴジラの手前のビルの看板に注目します。左側は「北海道銀行」、右側は「札幌銀行」とあります。大通公園沿いに実在する「北海道銀行本店」(左)と「新大通ビルディング(旧札幌銀行本店)」(右)がモデルだと思われます。「札幌銀行」は、2008年に「北洋銀行」に統合されています。ちなみに「新大通ビルディング」は……

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2013年12月 7日 (土)

特撮ロケ地巡り~札幌編⑤(中島公園周辺・旧北海道庁)

前回に続いて札幌編です。
今回は、市内中心部から少し離れたところを散策してみました。

◆弥彦(伊夜日子)神社
『ガメラ2 レギオン襲来』(1996)より
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避難する住民の誘導にあたる機動隊員。

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場所は、中島公園のはずれにある「彌彦(伊夜日子)神社」です。ちなみに、1997年に辰巳出版から発行された『ガメラ2 レキオン襲来 完全解析』に掲載されている完成台本には「中島公園」とだけ記載されていました。

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境内の手水舎。

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弥彦神社の本社は、新潟県の弥彦神社で、天之香具山命 ( あめのかぐやまのみこと ) をお祀りしているそうです。弥彦神社のWebサイトには「新潟県から札幌に移住され開発・発展に力を尽くされた有志の方々により、明治末、中島公園の地に心の拠り所と小さなお宮を建立したのが始まりです。大正9年には60坪の社殿が造営され、昭和45年に太宰府天満宮より学問の神様である菅原道真公の御分霊を拝戴、 『 札幌の天神さま 』 と呼ばれ今日に至っております」とありました。

◆幌平橋
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草体とガメラの様子を見ようと群がる野次馬。場所は、中島公園のすぐ近くにある幌平橋です。大勢のエキストラを動員するこのシーンは、先の弥彦神社と同じ日に撮影されたのではないかと勝手に推測しています。

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懐かしいHi8のビデオカメラを構える男性。彼が指を差す、すすきの方面は……

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2013年12月 1日 (日)

特撮ロケ地巡り~札幌編④(大通駅・すすきの)

さて、福岡出張の翌週、今度は札幌へ出張です。札幌には、仕事で年に2回訪れるのがこのところ定番化しつつあります。仕事ついでのロケ地探訪は、徐々にマニアックになっていきます。

◆札幌市営地下鉄南北線 大通駅ホーム
『ガメラ2 レギオン襲来』(1996)より
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事件の始まりを告げるシーン。ウィキペディアによると、札幌市営地下鉄では、人身事故対策として可動式ホーム柵の設置が進められ、この南北線においては、昨年7月から設置工事が始まり、今年の4月に全駅への設置が完了したばかりとのことです。

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車両も変わっています。現在走っているのは5000形。本編に出てくるのは2000形で、1999年6月に営業運転を終了してしまったそうです。


2000形はその昔、ブリヂストンのCMにも出ていましたね。『ガメラ2』に先駆け、ミニチュアを使用した大胆なCMでした。

◆大通駅北改札口
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草体の根を爆破後、地下鉄構内に突入する普通科小隊。自動改札機がSAPICA対応になっています。実は、本当はもう少し左側から撮影したかったのですが……

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工事中でした。

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ところで、この案内表示が撮影ポイントを探る手掛かりになったりするのですが、右側の案内表示は一致するものの、左側の表示内容が結構変わっていて、最初は場所を間違えたのではないかと目を疑ってしまいました。

(2013年11月5日撮影)

◆すすきの⑥~ラフィラ(旧ロビンソン百貨店札幌店)前
『ガメラ2 レギオン襲来』(1996)より
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変わっているといえば、群体レギオンに襲われた機動隊員が退去するこのシーン。地下鉄の出入口にはエスカレーターが設置され……

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さらにはエレベーターも設置されて、立派な作りになっています。以前ご紹介したさっぽろテレビ塔付近の地下鉄出入口を見たときにも感じたことですが、札幌の地下鉄は本当にいろいろ整備が進んでいます。何せ映画公開からもう、17年も経つんですからねぇ。

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こちらは再び本編との比較。17年の間に三洋電機もなくなってしまいました。
ここで余談なのですが、画面左端の交差点中央に立つ時計にご注目ください。

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この時計も、現在は新しくなっているというのは以前ご紹介しましたが……

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2013年8月 8日 (木)

特撮ロケ地巡り~札幌編③(テレビ塔~その2)

前回に続いて札幌つながりで、今回は平成ゴジラシリーズのロケ地をご紹介します。

◆さっぽろテレビ塔②
『ゴジラvsキングギドラ』(1991)より
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札幌へ向かうゴジラから人々が避難するシーン。現在は、ご覧のように歩道橋が途中で行き止まりになっています。

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2004年頃から実施された創成川通り(南5条通から北3条通)のアンダーパス連続化事業に伴い、トンネルの上が公園として整備され、2011年4月に「創成川公園」としてオープンしたそうです。公園自体が川の両岸(東西)を繋ぐ役目を果たすことから、歩道橋は撤去されたものと思われます。

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ゴジラがテレビ塔を破壊するシーン。本編のミニチュアセットは、ややアバウトな作りになっているので、大体似たポジションから撮影。地元の百貨店「丸井今井札幌本店」(赤い“M”マークの看板の建物)は健在ですが、奥の「紀伊国屋書店」や手前の「救心」「オッペン化粧品」のネオンサインはなくなっています。厳しいご時世のためでしょうか?

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2013年8月 6日 (火)

特撮ロケ地巡り~札幌編②(すすきの・テレビ塔・大通公園)

8月3日未明から、日本映画専門チャンネルで平成ガメラシリーズ3本が一挙に放映されていました。いつ観てもリアルな世界観がたまらないです。ということで、今回は平成ガメラシリーズのロケ地探訪です。

◆すすきの③~ラフィラ(旧ロビンソン百貨店札幌店)
『ガメラ2 レギオン襲来』(1996)より
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まずは、前回訪問時に予習不足で撮影ポイントを誤った「ラフィラ」のリベンジから。

◆すすきの④~松岡ビル
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地下鉄構内から地上へ退避する機動隊に、ビルの破片が落下するシーン。
奥の建物は、「ラフィラ」の向かいにある「松岡ビル」です。中央の看板を除いて、ほぼ映画公開当時のままです。

◆すすきの⑤~恵愛ビル
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ビルを突き破って出現した草体。今回は、「ラフィラ」ではなく右手前の「恵愛ビル」に注目します。「やぐら茶屋 恵愛ビル店」というのは実在したそうですが、現在はマクドナルドになっています。こういうカットは、今ならCG合成で処理されてしまうのでしょうね……。

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すすきの交番前から恵愛ビル全景。すぐ左隣の建物が、先の「松岡ビル」になります。

◆さっぽろテレビ塔
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自衛隊車輌が、続々と「さっぽろテレビ塔」前の大通公園に到着するシーン。右側の建物の外観が変わっています。その隣の教会は、白い壁に塗り替えられています。

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続く自衛隊指揮所の設営場面。公園のベンチは本編では確認できませんが、近年設置されたものでしょうか。なお、「さっぽろテレビ塔」はこのとき……

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2012年12月 2日 (日)

特撮ロケ地巡り~札幌編①(大通公園・すすきの・狸小路)

秋からほぼ毎週のようにイベント業務で各地を回っていましたが、その最終地は札幌でした。札幌といってまず思い浮かべるのは、『ガメラ2 レギオン襲来』(1996大映)です。物語の前半は、札幌で大規模なロケが行われています。

ただ、今回のロケ地巡りは、本業でバタバタしていたこともあり、十分な予習ができないまま現地入りすることとなってしまいました…。

◆大通公園
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謎の隕石が北海道の支笏湖南西約1kmの地点に落下してから「5日目」という場面に出てくる札幌市内の情景カットです。「札幌駅前通り」で撮影されています。信号の形が若干違いますが、周辺の建物や街路灯は一致しています。奥に見えるテレビ塔は、クリスマス前ということでイルミネーションが施されています。

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地下鉄が謎の生物に襲われ、機動隊員が潜入する場面。先のカットとよく似ていますが、奥にテレビ塔がありません。さすがに交通量の多い「札幌駅前通り」を封鎖してのロケは難しかったのでしょう。別の場所でされているようですが、予習不足のため、残念ながら今回は調査できていません。

◆すすきの①~ロビンソン百貨店札幌店
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突如崩壊を始めるビル。本編では「バンデラス」という名称で登場する「ロビンソン」。実は、2009年1月に閉店し、現在は「ラフィラ」となっています。ビルそのものは変わっていませんが、左側の時計が変わっています。

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これは、まだ「ロビンソン」だった頃に撮った写真です。(2005年3月撮影)

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落下する瓦礫から逃げる人々。垂れ幕に惑わされ、撮影ポイントを誤りました。これも予習不足…。

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ビルの屋上に出現した奇怪な植物のような芽。本編ではビルの左側に「Nikon」の看板が見えますが、公開当時には実在していました(後述)。

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