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2022年5月 8日 (日)

ゴジラ60周年ロケ地巡り~『ゴジラvsデストロイア』③(東京/品川・天王洲)

『ゴジラvsデストロイア』のロケ地巡り第3弾は、再び東京都内からお届けします。

◆しながわ水族館
『ゴジラvsデストロイア』(1995)より
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『ゴジラvsビオランテ』(1989)以降のシリーズの常連、上田耕一さん演じる警備員が巡回するのは、京浜急行・大森海岸駅近くにある「しながわ水族館」本館地下1階のトンネル水槽です。約900尾の魚たちが泳ぐ姿を下から見上げることのできる、全長22mの海の散歩道です。

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印象的な鏡張りの階段も健在。

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本館1階から地下に降りる階段で、順路的には階段を降りた先にトンネル水槽があります。

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異変が起きるのは「珍しい魚たち」コーナーです。本編と見比べると、内容はほぼ当時と変わっていないようでした。

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水槽をのぞくと例の「水に喰われた魚がいた!」と思ったのですが、あとで本編を見ると違いました(笑)。この魚は、ムーンライターというオーストラリアに生息するカゴカキダイの一種なのだそうです。

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警備員が異常な光景を目にした水槽は、現地でカップルがいる右隣の水槽と思われます。

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取材当時、そこにはオオカミウオがいました。

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館内に悲鳴が轟く場面に登場する水族館の外観。ショップができていました。

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私が訪れたのは2015年ですが、Googleのストリートビューを見ると、現在はさらに様変わりしているようです。【①】

(2015年6月20日撮影)

◆品川駅
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品川駅上空に飛来するデストロイア。ロケ地は以前、当ブログでご紹介しました。デストロイアはかなり低空を飛んでいますが、港南口(東口)側は再開発により、同ポジでは画面を埋め尽くすほどビルが林立しています。ぜひ過去記事でご確認ださい。撮影が行われた高輪口(西口)側も、国土交通省が2018年に次世代型交通ターミナルとして整備する構想を発表するなど、大きく変わろうとしています。この景色も今が見納めかもしれません。【②】

特撮ロケ地巡り~東京・品川編②(品川駅周辺)
http://tokusatsu.way-nifty.com/blog/2013/07/post-469b.html

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新幹線の手前を避難民が走るカットは、現在の「京王品川ビル」付近です。ここも過去記事でご紹介しています。現在は、リニア中央新幹線の地下駅工事が行われています。【③】

◆東京国際クルーズターミナル・船の科学館周辺
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三枝未希と小沢芽留のテレパシーに導かれ、東京湾内に入るゴジラジュニア。

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東京国際クルーズターミナル」に隣接する「潮風公園」南側エリアからのアングルと思われます。「潮風公園」は、東京2020オリンピックのビーチバレーボールの仮設会場として使用され、訪れたときは元の公園に戻す工事が行われていました。【④】

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「東京国際クルーズターミナル」は、2020年9月にオープン。1993年に竣工したレインボーブリッジの桁下高の制約(52m)により、2つ前の記事でご紹介した特撮ロケのメッカでもある「晴海客船ターミナル」において大型クルーズ客船の受け入れが不可能となり、東京2020オリンピック・パラリンピックに合わせて建設されたそうです。「晴海客船ターミナル」の開業は1991年ですが、レインボーブリッジは当時すでに建設中だったはずで、こうなることは予測できたと思うのですが、バブルの時代は誰も気にしなかったのでしょうか。とにもかくにも、「東京国際クルーズターミナル」は「晴海客船ターミナル」に引導を渡した張本人であることは間違いありません。

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さて、「東京国際クルーズターミナル」に隣接する「船の科学館」。ここもゴジラシリーズにとっては縁のある場所のようです。

『メカゴジラの逆襲』(1975より)
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『ゴジラ 東宝チャンピオンまつりパーフェクション』(アスキー・メディアワークス)によると、桂(演:藍とも子)が一ノ瀬(演:佐々木勝彦)に会いに訪れる海洋開発研究所は、1974年に開館したばかりの本館で撮影されていたとのこと。


『ゴジラvsモスラ』(1992)より
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『ゴジラvsモスラ』でコスモスを求めて湾岸に姿を見せたモスラのカットも、位置的におそらく「船の科学館」の本館から撮影されたものだと思われます。

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残念ながら、本館は2011年10月以降展示を休止しているため、写真はゆりかもめの東京国際クルーズターミナル駅(2019年に船の科学館駅から改称)のホームで撮影しました。【⑤】

(2020年10月31日撮影)

◆天王洲アイル
『ゴジラvsデストロイア』(1995)より
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シーフォートスクエア」上空を飛来するデストロイア。人々が逃げるのは京浜運河を挟んで手前にあったクルーズ船(ザ・クルーズクラブ東京)乗り場の駐車場です。乗り場は2011年10月に、対岸の「シーフォートスクエア」側へ移転しています。

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跡地はしばらく空き地でしたが、現在はマンションが建っています。【⑥】

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こちらは東京モノレールの天王洲アイル駅。

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駅南側の駐輪場から見上げたアングルになります。【⑦】

『ゴジラvsデストロイア』台湾版予告編より
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DVDに収録されている本編未使用カットです。駅の北側と首都高速羽田1号線を跨いで西側の「スフィアタワー天王洲」を結ぶ連絡通路で撮影が行われていました。【⑧】

『ゴジラvsデストロイア』(1995)より
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再び本編に戻ります。こちらは「シーフォートスクエア」のセンターコートです。【⑨】

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映画やドラマの撮影でよく使われており、この日も刑事物(?)の撮影が行われていました。

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京浜運河沿いのボードウォークのカットでは奥にゴジラジュニアが合成されています。【⑩】

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現在はマンションが建ち、「品川火力発電所」の煙突が見えなくなってしまいました。

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付近のアパートの上層階から見た天王洲アイル全景。中央の高層ビル「天王洲ファーストタワー」が、ミニチュアでは小さいビルに置き換えられています。このビルは……

『ガメラ 大怪獣空中決戦』(1995)より
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『ゴジラvsデストロイア』と同年の3月に公開された『ガメラ 大怪獣空中決戦』で、ギャオス攻撃のための戦闘指揮所が設置されました。『ゴジラvsスペースゴジラ』(1994)では福岡のロケ地をめぐり、東宝と大映で棲み分けが協議されたという話がありましたが、ここでも重複を避けるために敢えてミニチュア化しなかったというのは考え過ぎでしょうか。ちなみに『ゴジラvsデストロイア コンプリーション』(ホビージャパン)では、『ゴジラvsメカゴジラ』(1993)と『vsスペースゴジラ』にて、このビルの会議室がG対策センター会議室として撮影に使用されたとありました。平成ゴジラシリーズにとっても縁のある建物ではあるようです。

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『ガメラ』本編の戦闘指揮所のシーンでは、つい先日亡くなられた俳優・渡辺裕之さんが演じた自衛隊員大野の「芝公園に落とす!」という台詞が本当に印象的でした。合掌。

『ゴジラvsデストロイア』(1995)より
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閑話休題。デストロイアの攻撃を受ける「東京フロントテラス」。「シーフォートスクエア」の一角をなすオフィスビルで、公開当時は「シティグループセンター」という名称でした。天王洲アイルは、狭いエリアに高層ビルが密集している上に、南北を縦断する首都高速に視界を遮られるので、バトルシーンに近いイメージを探るのはなかなか至難の業でした。【⑪】

(2013年4月13日/2018年5月16日撮影)

◆品川火力発電所
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ゴジラジュニアの渾身の一撃によって吹き飛ばされたデストロイアが激突したのは「品川火力発電所」です。

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こちらは、デストロイアが完全体となって復活を遂げるシーン。本編をよく見ると、発電所の煙突の位置が左へ寄っています(^^)。現在の発電所は2001年から2003年にかけて新たに運転を開始した2代目で、最初の発電設備は1960年から運転を開始していたそうです。

(2018年5月16日撮影)

『東京湾炎上』(1975)より
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その最初の発電設備は『東京湾炎上』に登場しています。こちらは当時の実景カット。

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そして、もし20万トンの原油を満載した大型タンカーが東京湾で爆破されたらどうなるかというシミュレーション場面では、精巧に再現されたミニチュアが中野昭慶特技監督の演出で盛大に爆発します。

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海上に流出した原油に炎が燃え移る合成カットの下画は、おそらく「船の科学館」展望塔から撮影されたものでしょう。

『ゴジラvsキングギドラ』(1991)より
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東宝の大プールでオープン撮影されたという見事な爆破シーンは16年後、平成ゴジラシリーズにも登場。キングギドラが放つ光線によって木っ端微塵に吹き飛ばされました。

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シナリオには「日本中の都市を破壊して進むキングギドラ」とあるだけで具体的な地名の設定はありませんが、「品川火力発電所」の旧発電設備は1996年まで稼働していたということなので、辻褄は合います。

国土地理院 空中写真CKT922X-C8B-17(1992/10/26)よりトリミング加工
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1992年に撮影された空中写真を見ると、旧設備の煙突と建設中と思われる新設備の煙突が両立していたことがわかります。先にご紹介した『ゴジラvsモスラ』のカットを改めて見直してみてください。そこでも旧煙突の存在を確認できます。


『ゴジラxメカゴジラ』(2002)より
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『ゴジラxメカゴジラ』では、暴走した3式機龍が放つミサイルで最初に被害を受けています。実際の発電所では、この時期にはもう新しい発電設備が稼働し始めており、3本の煙突もすでに解体されています。

 

   

 

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