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2021年12月31日 (金)

ゴジラ60周年ロケ地巡り~『ゴジラvsデストロイア』①(東京/銀座・永田町・浜松町・晴海・有明編)

皆様、いかがお過ごしでしょうか。コロナ禍で生活様式がすっかり変わってしまい、慌ただしい日々を過ごすなか、前回の更新からあっという間に2年が経とうとしています。私自身はその間も、オンライン開催となった「ゴジラフェス」を視聴したり、『ゴジラvsコング』を鑑賞したり、またつい先日も「平成ガメラ降臨祭 京都」への参加や『モスラ 4Kデジタルリマスター版』の鑑賞など、特撮道は衰え知らずだったのでありますが、どうにも筆が進まず、現在に至ってしまいました。まあ、そんな個人的な話はどうでもいいわけですが、2021年の暮れは何とか時間が作れそうな気がして、久々に筆をとった次第です。まずは平成ゴジラシリーズのロケ地巡りを完結せねば!


というわけで、今回ご紹介するのは1995年12月9日に公開されたシリーズ第22作『ゴジラvsデストロイア』です。この作品の情報を初めて知ったのは、もちろん前作『ゴジラvsスペースゴジラ』の上映後に公開された後づけ特報です。2020年11月8日の「ゴジラフェス」で話題になった「初代ゴジラカラー化映像」に先駆けること5年前、着色された第1作『ゴジラ』の映像がスクリーンに流れ、カラーになった山根博士が衝撃的でした。このときのタイトルはまだ『ゴジラ7』。敵怪獣の名前は伏せられており(というか、この時点ではまだ決まっていなかった)、いやが上にも期待感を煽る内容でした。本映像は『ゴジラvsスペースゴジラ』 のBlu-ray/DVDに映像特典として納められていますので、未見の方はぜひ!

その後、『ゴジラvsデストロイア』 というタイトルを始めて見たのは立ち読みした『B-CLUB』だったか『宇宙船』の小さな記事だったように思います。大森一樹さんが脚本を担当されると知って小躍りしたのを覚えています。ただ、「デストロイア」という名前を見たときは、「オキシジェン・デストロイア」からとっているということよりも先に、プロレスラーのザ・デストロイヤーの顔が頭に浮かんでしまいました(笑)。

 

◆銀座和光
『ゴジラvsデストロイア』(1995)より
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本作のプロデューサーである富山省吾氏は、著書『ゴジラのマネジメント』の中で「1作目のゴジラがシリーズの表紙だとしたら、その合わせ扉として裏表紙を作る」ことを目指したと記しています。その方向性が示す通り、『ゴジラvsデストロイア』は第1作『ゴジラ』とリンクする設定が随所に散りばめられており、オマージュ的な演出も多いです。核爆発寸前のゴジラが東京の街を蹂躙するこのイメージシーンもその一つ。当ブログでも何度も紹介していますが、過去記事と見比べていただくとここ数年の和光周辺の変遷の様子がうかがえます。【①】

特撮ロケ地巡り~東京・銀座編①(松坂屋・銀座和光)
http://tokusatsu.way-nifty.com/blog/2013/07/post-d179.html

ゴジラ60周年ロケ地巡り~『ゴジラ』①(品川・銀座)
http://tokusatsu.way-nifty.com/blog/2014/07/60-4fa7.html

(2020年10月31日撮影)


◆銀座四丁目交差点
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こちらは、臨海副都心に謎の生物が出現したことを知らせる電光掲示板。現在は看板になっています。

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銀座三越前からのアングルで、右手に和光ビルが見えます。

(2015年1月31日撮影)

◆銀座五丁目付近
『ゴジラ』(1954)より
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そのまま銀座五丁目交差点付近へとやってきました。初代ゴジラの放射熱線で焼かれた松坂屋の跡地は現在、複合商業施設の「GINZA SIX」に生まれ変わっています。【②】

『怪獣プラネット ゴジラ』(1994~1998)より
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サンリオピューロランドのアトラクション用3D映像『怪獣プラネット ゴジラ』では、銀座周辺のミニチュアセットが組まれました。

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制作されたのは『ゴジラvsメカゴジラ』(1993)の直後ということで、『ゴジラvsデストロイア』に先駆けて、ゴジラはミニチュアで制作された和光ビルに迫っています。中央通りはかなり広く作られていますね。

(2018年10月3日撮影)

◆国会議事堂
『ゴジラvsデストロイア』(1995)より
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こちらもゴジラ核爆発のイメージシーン。銀座和光同様、第1作のオマージュと思われますが、実景で同アングルの撮影が難しかったのか、参議院側の北門前からのアングルとなっています。現在は、木々の成長がすごいですね。【③】

(2014年6月25日撮影)

◆世界貿易センタービル
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核爆発の閃光が走るイメージシーンは、世界貿易センタービルから東京タワー方面を望んだもの。

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世界貿易センタービルは、『メカゴジラの逆襲』(1975)や『ゴジラvsモスラ』(1992)など、ゴジラシリーズにゆかりのあるビルです。当ブログでも何度か紹介してきましたが、建て替えのため今年2021年6月30日に閉館しました。【④】

特撮ロケ地巡り~東京・港区編②(世界貿易センタービル)
http://tokusatsu.way-nifty.com/blog/2014/02/post-da66.html

ゴジラ60周年ロケ地巡り~『ゴジラvsモスラ』②・『メカゴジラの逆襲』①(東京・千葉)
http://tokusatsu.way-nifty.com/blog/2016/08/60vs-b639.html

(2018年5月15日撮影)

◆晴海客船ターミナル
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謎の生物に対する臨時司令部が設置されたのは「晴海客船ターミナル」です。東京港開港50周年を記念し、 国内外の豪華客船が接岸する東京の海の玄関として1991年に開業しています。 このカットは、公開当時はまだ日本では珍しかったデジタル合成によって作られていますが、3DCGで飛ぶ戦闘ヘリが印象的でした。【⑤】

『ウルトラマンオーブ』第25話「さすらいの太陽」(2016)より
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ちなみに、ターミナルへ続く道路は、『ウルトラマンオーブ』最終回の変身シーンが撮影された場所でもあります。さらに、この道の奥に見える倉庫街は、かつて初代ウルトラマンがケロニアと戦った晴海の倉庫街です。

(2015年6月25日撮影)

『ウルトラマン』第31話「来たのは誰だ」(1967)より
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ということで、ハヤタが変身するために走って行った倉庫を探してみたのですが、残念ながら時すでに遅しでした。ウルトラマンシリーズのロケ地サイト「光跡」さんによると、2012~2013年に解体されてしまったとのことです。

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「晴海客船ターミナル」周辺は、2020年東京オリンピック・パラリンピックの選手村になりました。選手村の建設に伴い、先の『ウルトラマンオーブ』最終回の変身シーンが撮影された道路はすでになくなっています。そして先日12月27日には、「晴海客船ターミナル」も2022年2月20日に閉館すると東京都港湾局が発表しました。

「晴海客船ターミナルが閉館、解体へ 撮影スポットとして人気も...30年の歴史に幕」(Yahoo!ニュース)https://news.yahoo.co.jp/articles/cf390d8dfcbff46a1a4e7c25dbaa0a21dfc09223

「『晴海客船ターミナル』なぜ閉鎖? 30年の歴史に幕 “東京の海の玄関口”のはずが」(乗りものニュース)
https://trafficnews.jp/post/114090

『ゴジラvsデストロイア』(1995)より
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「晴海客船ターミナル」では、ほかにも様々なシーンが撮影されています。東京の街が大炎上するイメージシーンの下画は、3階の送迎デッキから竹芝・日の出埠頭方面を眺めたものです。

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また、ゆかり(演:石野陽子)が伊集院(演:辰巳琢郎)に海底トンネルの土を持ち帰った真意を尋ねるシーンは、1階の臨港広場にて撮影されています。

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この臨港広場は、東映のスーパー戦隊シリーズなど、数々の特撮作品のロケ地としても有名です。ここで恒例ですが、少し脱線して…

『海賊戦隊ゴーカイジャーVS宇宙刑事ギャバン THE MOVIE』(2012)より
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こちらの作品のラストシーンは、先の『vsデストロイア』 の1シーンとほぼ同じアングルです。

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こちらはゴーカイレッド(演:小澤亮太)とギャバン(演:大葉健二)の再会シーン。現在、池は手入れされていないようで、結構汚れていました。

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左からバトルケニアこと曙四郎と、ギャバンこと一条寺烈、そしてデンジブルーこと青梅大五郎の奇跡の3ショット。これも臨港広場です。衣装チェンジが大変だったでしょうね。

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こちらは、前面広場。『特捜エクシードラフト』(1992~1993)では本部の外観として使われたり、ヒーローの名乗りのシーンといえばここ、というほど定番のスポットです。

『ゴジラvsデストロイア』(1995)より
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閑話休題。展望台へとやってきました。

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臨時司令部へと向かう自衛隊員。床面が再塗装されていたり、ところどころ耐震補強はされてはいますが、基本的には公開当時のままです。

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この上に司令部があります。右下の「N」という方向板にご注目。

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司令官(演:神山繁)と伊集院が眺める方角は北側なのですが…

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デストロイアが出現した有明地区は、実際にはその真後ろになります。

(2020年10月31日撮影)

◆有明二丁目交差点付近
『ゴジラvsデストロイア』(1995)より
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デストロイア幼体が高架下をうごめくシーンは、有明JCTを有明二丁目交差点付近から撮影したものです。首都高速台場線の照明灯の位置が本編と微妙に異なります。【⑥】

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有明清掃工場の煙突と、その左にある道路標識(右方向屈曲あり)の付いた台場線照明灯との位置関係を本編に合わそうとするとこんな感じです。これだとかなり近づき過ぎです。実際の撮影ポイントは、現在武蔵野大学有明キャンパスの敷地になっているところから撮影されていたのではないかと推測します。

(2020年10月31日撮影)

◆東京ベイコート倶楽部前
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メーサー車がデストロイア幼体に超低温レーザーを照射した場所は、現在の「東京ベイコートクラブ」前辺りと思われます。本編の有明清掃工場の煙突の向きは左右逆になっています。⑦】

(2013年7月17日撮影)

◆夢の大橋
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デストロイア集合体が出現するシーンは、「夢の大橋」から有明清掃工場を望むアングルが本編と符合します。工場の煙突は、本物と同じ向きに修正されています。【⑧】

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首都高を跨いで前進するデストロイア。本編でビルが建設中だったところは、現在「東京都水の科学館」と「武蔵野大学有明キャンパス」になっています。煙突の向きがまた逆になってる…

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「夢の大橋」は、パレットタウンのある青海と東京ビッグサイトのある有明を結ぶ全長360m、最大幅60mの日本一幅広い歩道橋で、1990年に竣工。2020年東京オリンピック・パラリンピック期間中には聖火台が設置されていたことでも有名です。また、特撮作品をはじめ、多くの映画やドラマのロケに使用されています。例えば……

『ウルトラマンガイア』第49話「天使降臨」(1999)より
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世界を闇に閉ざす無数の破滅魔虫ドビシに立ち向かう、高山我夢(演:吉岡毅志)と藤宮博也(演:高野八誠)の変身シーン。

『特捜戦隊デカレンジャー』(2004~2005)より
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デカベースをバックに変身前の5人が駆けるオープニング。

『踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望』(2012)より
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青島(演:織田裕二)が夕焼け空に向かって駆けていくラストシーン。どれも作品のテーマを象徴する場面で使用されているように思います。

(2013年10月10日/2015年7月14日/2017年9月17日撮影)

◆有明スポーツセンター
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脱線ついでに、デストロイアが出現した有明清掃工場の隣にある「有明スポーツセンター」もご紹介しておきましょう。【⑨】

『ウルトラマンティガ』第49話「ウルトラの星」(1997)より
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「有明スポーツセンター」は、有明清掃工場の熱源を利用した温水プールや大体育館、トレーニングルームなどのスポーツ施設です。デストロイアの破壊からはかろうじて免れているようですが、『ウルトラマンティガ』ではその独特なフォルムを生かして、なんと円谷プロの社屋になりました!?

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宇宙魔人チャリジャがかけ上げる階段もスポーツセンター正面で撮影。現在は歩道が舗装し直されています。

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タイムマシン(?)で1966年に向かうチャリジャ。日時計のような模様は健在でした。

(2017年9月17日撮影)

角乗り橋南
『ゴジラvsデストロイア』(1995)より
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メルトダウン寸前のゴジラを冷却するために臨海副都心へ向かうスーパーXⅢ。実景は暗くてよくわかりませんが、有明清掃工場の煙突やスポーツセンターの位置関係などから推察し、角乗り橋南交差点付近から撮影されていたのではないかと考えています。本編の画面左側に見える建物は有明駅の駅舎ではないかと思います。ここは正確な検証のためにも、ぜひとも4Kデジタルリマスター化をお願いしたいところです。ちなみにゆりかもめは、本作が公開される直前の1995年11月1日に新橋駅~有明駅間で営業運転を開始しており、首都高速湾岸線を跨いで豊洲まで延伸開業したのは、2006年3月27日とのことです。【⑩】

(2013年10月11日撮影)

◆東京臨海広域防災公園
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映画公開当時はほとんど更地だった有明駅周辺は、現在は「東京臨海広域防災公園」として整備されています。

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臨海副都心に集結する自衛隊のシーンは、「東京ビッグサイト」に近い園内の多目的広場付近で。【⑪】

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デストロイア幼体と交戦する戦車隊のシーンは、同じく草地広場付近が合成の下画に使われています。【⑫】

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2020年東京オリンピック・パラリンピックの期間中、IBC(国際放送センター)として利用された「東京ビッグサイト」は、展示ホールの外側に空調設備が増設されていました。

2013年10月11日/2020年10月31日撮影)

 

   

 

 

 

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