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2019年10月27日 (日)

ゴジラ60周年ロケ地巡り~『ゴジラvsスペースゴジラ』②(神戸)

久しぶりの投稿です。毎度同じような書き出しで恐縮ですが、 気がつけば前回の投稿から1年以上経ってしまいました。この1年の間、 ゴジラ史的には『GODZILLA 星を喰う者』が2018年11月9日に公開され、アニメシリーズが完結。

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そして、2019年3月10日には「第1回 ゴジラ検定」が開催されました(おかげさまで初級・中級とも無事合格いたしました)

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さらに、令和を迎え、5月31日に 『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』が日米同時公開。キングギドラとモスラ、ラドンも復活し、ゴジラ誕生65周年にふさわしい豪華な内容でした。

当ブログでは未だに「ゴジラ60周年ロケ地巡り」が完結していませんが、どうか『西遊記』PART1(もちろん円谷プロが特撮を担当した堺正章版ね)の最終回で、高峰三枝子演ずる釈迦如来が、天竺へ向かう三蔵法師一行に対して「何年かかっても良い」と諭したように、気長にお付き合いくださいませ。

さて、前回は兵庫県明石市で開催されていた「特撮のDNA展」の話題で締めくくりましたが、今回はお隣りの神戸市で『ゴジラvsスペースゴジラ』のロケ地を巡ります。とはいえ、本編ではわずか10秒足らずのシーンですので、例によって脱線しまくりの内容となりますことをあらかじめお断りしておきます(そういうことやってるから前に進まないんだろうというツッコミもなしで)


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『ゴジラvsスペースゴジラ』(1994)より
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神戸上空に飛来するスペースゴジラ。神戸ハーバーランドにある複合商業施設「umie MOZAIC」2Fのウッドデッキ「海の広場」から神戸ポートタワーのあるメリケンパーク方面を眺めたアングルです。25年のうちに高層建築物が増えています。左奥に見える六甲山は合成で消されているようです。【①】

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「umie MOZAIC」は、「神戸モザイク」という名称で1992年にオープン。いわゆる神戸らしい立地もさることながら、2012年までは阪急・東宝系列の施設でしたので、ロケもしやすかったのではないかと思われます(現在はイオンモールが管理)。

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本編とは順序が前後しますが、スペースゴジラを指差す人々のカットです。
おや?なんか違う…??

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「海の広場」から3Fを見上げていたのですが、公開から25年も経っているのでリニューアルされていたとしてもおかしくないとは思いつつ、どこか違和感を覚えます。そう思いながら辺りを見回していると、2Fの手すりの下部(写真右)が本編と同じ金網状になっているのを発見。もしやと思い、1Fへ降りて見上げてみると…

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見事に一致しました。わざわざカメラを移動させて撮影していたんですね。

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ちなみに「海の広場」の下は、神戸港から明石海峡大橋付近までを周遊するレストラン船「コンチェルト」の待合室となっています。

『ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟』(2006)より
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「コンチェルト」は、ウルトラマンシリーズ誕生40周年記念映画『ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟』の舞台となった船です。 

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船上では、ウルトラマンメビウスことヒビノミライ(演:五十嵐隼士)が、先輩のウルトラ兄弟と語り合う重要な場面が撮影されています。

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「海の広場」から接岸中の「コンチェルト」のデッキに注目。

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撮影ポイントを望遠で狙ってみました。機会があれば乗船して、きちんと検証したいところです。レストラン船なので、料理を楽しみながらロケ地巡りをするというのも乙なものかもしれません。

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さて、再び「MOZAIC」に戻ります。これもメビウス劇場版から。撮影場所は2F海沿いのデッキです。本編右端には小中和哉監督がカメオ出演されています。その奥には現在、結婚式場やホテルが建ち並び、随分様変わりしました。最近の作品だと思っていましたが、もう公開13年になるんですね。【②】

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こちらは『ゴジラvsスペースゴジラ』と同じ2F「海の広場」で撮影。氷川きよしさんは合成?
この1カットのためだけにわざわざ神戸まで来られたのでしょうか?

『ウルトラマンダイナ』第36話「滅びの微笑(後編)」(1998)より
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ウルトラつながりで、こちらは関西ロケが行われた『ウルトラマンダイナ』第36話のエンディングより。右の現地写真は2014年に撮影したものですが、店舗は入れ替わっているものの、雰囲気は当時とそれほど変わっていません。

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ハーバーロード沿いの階段から1F「希望の広場」を望むアングルなのですが…

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現在はリニューアルされており、よりオシャレな景観に生まれ変わっています。【③】

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ウルトラマンと何かと縁が深い「MOZAIC」ですが、2013年3月には「ウルトラマンワールドM78 神戸店」がオープンしています。当初は2014年1月までの期間限定店でしたが、その後継続営業が決定。現在に至ります。ショーウィンドウに鎮座する1/6の初代ウルトラマンがインパクト大です。

<円谷ステーション ニュースより>
「オフィシャルショップ『ウルトラマンワールドM78』が2013年3月15日(金) 神戸ハーバーランド モザイクにオープン!名誉店長はウルトラマンティガ!」(2013年3月14日)
https://m-78.jp/news/n-1741/

「ウルトラマンワールドM78 神戸店 継続営業決定!」(2013年12月7日)
https://m-78.jp/news/n-2268/

メリケンパーク
『ゴジラvsスペースゴジラ』(1994)より
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閑話休題。メリケンパークへとやって参りました。【④】
『東宝SF特撮映画シリーズ VOL.9 ゴジラvsスペースゴジラ』(東宝 出版・商品事業室発行) の鈴木健二・中野陽介特撮助監督による「特撮激闘撮影日誌」によると、福岡の天神周辺でのロケを終えた特撮班が1994年6月13日に神戸へ立ち寄り、ロケハン。翌14日に100名近くのエキストラを動員して撮影したとあります。なかには前年の『ゴジラvsメカゴジラ』のロケに参加した人もいたとか。同じ関西人として羨ましい限りです。特撮班は2日後には山形ロケを敢行。まさに激闘の日々ですね(*^^*)

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本編左端に見える石碑は、彫刻家・流政之氏によって1991年に製作された「神戸海援隊の碑」です。この辺りにはかつて勝海舟、坂本竜馬らによってつくられた海軍操練所が存在しました。石碑には「武士、町民、農民を問わず若者たちが大洋に夢をはせ経済、科学など多くのことを学んだ。夢を果たせず志なかばに倒れていった若者たちを『神戸海援隊』と名付け、その短い青春の夢をここに刻む」とあります。


勝海舟といえば、当ブログで以前にも取り上げたことがありますが、1990年の日本テレビ年末時代劇スペシャル『勝海舟』の特撮を、川北紘一特技監督率いる平成ゴジラシリーズのスタッフが担当しています。

『勝海舟』(1990)より
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そして、その10年前。川北監督は1980年に『ウルトラマン80』の特撮を手掛けていますが、担当した4本(9、10、13、14話) で組んだ本編監督は元大映の湯浅憲明監督でした。湯浅監督が大映時代に特撮を担当したのが……

神戸ポートタワー
『大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン』(1966)より
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昭和ガメラシリーズの第2作『大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン』であり、バルゴンが初登場したのが神戸でした。仕事で「ホテルオークラ神戸」最上階にお邪魔したときに撮影させてもらった写真と比較してみました。【⑤】

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長い舌で「神戸ポートタワー」を一撃するバルゴン。中突堤から見上げたアングルです。

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なお、本編でポートタワーは灯台のようにサーチライトを照らし、その光に反応したバルゴンによって破壊される流れになっていますが、ポートタワーは観光目的で作られたタワーであり、開業当時から灯台の役目は果たしていないそうです。このあたりは“演出上の嘘”ということですね。【⑥】

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こちらは中突堤の対岸にある新港第1突堤からポートタワーを眺めたものです。本編と同じように夜景を狙ってみました。【⑦】

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いわゆる“神戸”らしい素敵な夜景が見られる絶景スポットです。


ところで湯浅監督は、1978年の大場久美子版『コメットさん』の第17話「私の親友 ウルトラマン」で、ウルトラセブンを登場させています。ここ神戸港は、そのウルトラセブンがかつてキングジョーと闘った場所であるというのは言うまでもないでしょう。

『ウルトラセブン』第15話「ウルトラ警備隊西へ 後編」(1968)より
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『ウルトラセブン』第15話にも登場した「神戸ポートタワー」。世界最初のパイプ構造の観光タワーで、1963年に完成。全高は108m。当初は銀色に塗られる予定だったそうですが、当時の航空法によって赤を基調とした現在のカラーリングとなったらしいです。

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展望台で望遠鏡をのぞくモロボシ・ダン(演:森次晃嗣)。さすがに50年以上経っているので、望遠鏡は変わっています。ニコンのサイトを見ると、現在の四角い望遠鏡は観光望遠鏡というそうで、筒状のものより倍率が高い(30倍)とのことです。

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ダンが立っていたと思われる場所に1つだけあったこちらのタイプは大型双眼望遠鏡といい、倍率は20倍とのこと。

『ウルトラセブン』第14話「ウルトラ警備隊西へ 前編」(1968)より
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ダンが覗いている辺りから見下ろした風景は、第14話冒頭で秘密諜報員のマービン・ウェップが車を走らせた中突堤の駐車場付近になります。

『ウルトラマンダイナ』第36話「滅びの微笑(後編)」(1998)より
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こちらは再び『ウルトラマンダイナ』第36話のエンディングより。明らかに『ウルトラセブン』のオマージュと思われますが、ダンが南側を覗いていたのに対し、ホリイ一家は北側を覗いています。望遠鏡の色が現在と異なりますが、塗料が剥げた部分から本編と同じ水色系の色が見えているので、塗り直されたものと思われます。

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また、現在は望遠鏡の数も減っています。本編で奥に見えていた望遠鏡は撤去された痕跡がありました。ホリイの後方の窓枠にあった箱状の機器(?)も取り外された跡が残っていました。

『ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟』(2006)より
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ホリイ一家が眺めていた風景はこちら。メビウス劇場版で神戸が紹介されるシーンはこの上空から捉えられたものです。

『ウルトラセブン』第15話「ウルトラ警備隊西へ 後編」(1968)より
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『ウルトラセブン』に戻ります。ぺダン星人が化けたドロシー・アンダーソンを見つけ、螺旋階段を駆け下りるダン。展望室は5フロアあり、どのフロアも同じような形をしているので、一致しているかどうかはわかりません。

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こちらは降りてくるのを下から見上げたところです。これは展望2Fから3Fを見上げたものです。上の方が薄暗くなっていますが、そこは回転フロアになっています。鉄骨の形状が一致するのはここだけなので、確度は高いと思われます。

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回転フロアは以前は喫茶店となっていましたが、2018年12月に閉店。2019年6月に「SAKE TARU LOUNGE」がオープンしました。

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本編でダンは階段を一気に駆け下りているように見えますが、展望1Fから地上3Fまでの階段は関係者以外使用禁止です。

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こちらは地上出入口の様子。現在、屋根はなくなり、窓の形状なども大きく変わっています。

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後にキングジョーが出現した際に駆けつけた場所もここです。

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外壁がリニューアルされています。タワーを運営する神戸観光局港湾振興部のWebサイトによると、1990年に下層階内外装改修工事が行われたとありました。

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次に、特撮シーンに近いアングルを求めて周辺を散策。こちらはメリケンパークから。【⑧】

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こちらは「神戸メリケンパークオリエンタルホテル」の玄関付近からのアングル。【⑨】

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私事で恐縮ですが、ポートタワーの下に見えるチャペルで14年前に挙式いたしました。この地が特撮の聖地であったことは、ホテル選びの際に少なからず影響していたと思われます(^^;)

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本編左手前の建物は、実際の位置に照らし合わせるとKiss FM KOBEが入っている「中突堤中央ビル 」にあたると思われます。なお、「神戸ポートタワー」は2020年度に民営化されるとの報道があったのですが、それに伴ってタワーに直結するこのビルは建て替えになるそうです。歩道橋を歩いて再びポートタワーの足元へと向かいます。

<朝日新聞デジタル>
「神戸ポートタワー、民営化へ 2020年度にも」(2018年12月31日)
https://www.asahi.com/articles/ASLD04DL3LD0PIHB008.html

『ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟』(2006)より
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中突堤の先に目をやると、メビウス劇場版クライマックスの撮影ポイントがあります。【⑩】

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ポートタワーからメリケンパークへ掛かる歩道橋の上で望遠で撮られたものと思われます。本編の左に映るオカリナのようなオブジェは「オルタンシアの鐘」といい、メリケンパークを舞台に1989年11月に開催された「第1回神戸ファッションフェスティバル」の記念に作られたモニュメントです。建設当初は1日4回鐘を鳴らしていたそうですが、阪神淡路大震災以降は鳴らされていません。

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こちらはシーンを遡り、メビウスがテンペラー星人と空中戦を展開するシーンです。あれこれやってみましたが、なかなか同じアングルに収まりませんでした…。【⑥】

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こちらは、ほぼ同じ場所から「MOZAIC」方面を眺めたものです。

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宇宙人連合によって生み出された邪悪なエネルギーが神戸の街を覆うシーンも同じ場所です。こうして見ると効率よく撮影されていることがわかります。ちなみにこの場所で右を向き…

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大阪湾を望んだこの風景…

『ウルトラセブン』第15話「ウルトラ警備隊西へ 後編」(1968)より
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ダンがセブンに変身した場所と雰囲気が似ているなと思ったのですが…


撮影当時の写真を見ると倉庫が建ち並んでおり、変身できそうな開けた場所はなさそうです。


『ウルトラセブン撮影日誌』によると、ロケ隊(満田組)は午前中から午後2時頃までポートタワーで撮影し、その後摩耶埠頭へ移動したとあるので、おそらくそこで撮影されているのだと思われます。

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キングジョーを撃破したライトンR30爆弾の発射シーンも摩耶埠頭で撮影されています。ドロシー・アンダーソンと共にライトンR30爆弾を開発した土田博士を演じたのは土屋嘉男さん(右から2人目)ですが…

『ゴジラvsキングギドラ』(1991)より
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その土屋さんは23年後、平成ゴジラシリーズにも出演。福岡タワーでキングギドラに襲われます。そして福岡タワーは3年後、スペースゴジラにも狙われることになるのですが、それはまたの講釈で。

(2014年7月28日/2018年1月26日・8月20日/2019年10月8日・12月6日撮影)

  

   

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