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2018年9月24日 (月)

ゴジラ60周年ロケ地巡り~『ゴジラvsスペースゴジラ』①(鹿児島・札幌)

  
今回ご紹介するのは、1994年12月10日に公開されたシリーズ第21作『ゴジラvsスペースゴジラ』です。この年は7月に『ヤマトタケル』が公開され、昭和の特撮黄金期のように1年に2度も東宝特撮映画を楽しめるという、贅沢でワクワクした1年でした。

 
ハリウッドのトライスター版『GODZIILA』の製作遅延でシリーズ続行となり、急遽製作された本作。『平成ゴジラ大全 1984~1995』(白石雅彦 編著)によると、『ゴジラvsスペースゴジラ』の特撮は、1994年6月27日にクランク・イン。例年より2か月近く遅れてのスタートとなったようです。


そのせいか、特撮演出は全体的に大味な感が否めず、特に宇宙空間の描写は操演による力技。同じ川北紘一特技監督が手掛けた『さよならジュピター』のような繊細さを期待していただけにちょっと残念でした(製作条件が異なっているのは重々承知した上での個人的感想です…)

 
しかも、舞台は南海。ミニラならぬリトルゴジラも登場…。かつて昭和のゴジラシリーズが『ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘』や『怪獣島の決戦 ゴジラ息子』で福田純監督を迎え、新たな方向性を求めていったように、『ゴジラvsスペースゴジラ』も平成ゴジラシリーズ6作目にして監督・脚本・音楽といったメインスタッフを一新。転換期を迎えたんだなあと、当時は自分を納得させたものです。とはいえ、久々の新怪獣・スペースゴジラの登場や、ゴジラと人間が絶妙に絡むアクション描写、人間ドラマを重視したストーリー展開など、いま改めて見直すと良くできている作品だと感じます(うんちくが多いですが、結局のところ好きなんです)

SHIROYAMA HOTEL kagoshima(旧城山観光ホテル)
『ゴジラvsスペースゴジラ』(1994)より
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さて、本題のロケ地巡りに移りましょう。まずは鹿児島から。先ほど、特撮のクランク・インは6月27日と書きましたが、『ゴジラ大百科[スペースゴジラ編] 』(学研)に掲載されている、鈴木健二チーフ助監督の特撮撮影日誌によると、地方ロケは6月9日に開始され、最初のカットがこの桜島の合成用の下画だったとのこと。旅行ガイドなどでよく見かける定番のアングルです。

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撮影場所は「城山観光ホテル」(今年5月8日、創業70周年・ホテル開業55周年を記念して「SHIROYAMA HOTEL kagoshima」に屋号を変更)。上層階から撮影されているようです。
鹿児島出張時の仕事場がたまたまここだったのは幸運でした(^_^;)

(2015年3月11日撮影)

天文館
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出張ついでに鹿児島市内の繁華街・天文館へ。本編と同じアングルを探そうと思うと、路上からの撮影になってしまうので難しかったです。ちなみにこれは横断歩道からの撮影。

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歩道から撮影したこちらのアングルの方がまだ近いかな。天文館本通りアーケード周辺は、この写真を撮影した2015年時点ではコカコーラの看板など、映画公開当時の面影が残っていましたが、Googleマップのストリートビューを見ると、現在は少し変わっているようです。

◆山形屋
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続いては、天文館から北東へ500mほど進んだところにある、鹿児島の老舗百貨店「山形屋」です。1998年に外壁工事が行われ、ルネッサンス調のデザインに一新されたため、現在の方が古く見えます。

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エキストラが参加したこちらのシーンも「山形屋」前での撮影。ちなみに“ヤマカタヤ”と読むそうです。

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「山形屋」の創業は1751年。出羽国山形出身の源衛門が、紅花仲買と呉服太物行商を興したのが始まりとされています。その後、薩摩藩の商人誘致政策を機に薩摩入りし、呉服太物店を構え、「山形屋」と称するようになったそうです。

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『ゴジラvsスペースゴジラ』では、スペースゴジラが山形を襲撃しますが、偶然とはいえ不思議な縁を感じます。

◆鶴丸城跡
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「山形屋」からさらに北西へ550mほど進んで、鶴丸城跡へ。

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鶴丸城(鹿児島城)は1601年頃に島津家第18代家久により築城され、以後廃藩置県まで島津氏の居城でした。現在、城跡には「鹿児島県歴史資料センター黎明館」などが建っています。

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天璋院篤姫の像も鎮座しています。現在放映中のNHK大河ドラマ『西郷どん』では北川景子さんが演じてますね。そういえば、彼女のデビュー作について少し触れられている嬉しい記事を見つけました。

「北川景子、『西郷どん』で篤姫に寄り添った一年」(シネマトゥデイ 2018年9月23日付)
https://www.cinematoday.jp/news/N0103747

(2015年2月24日撮影)

◆大通公園
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所変わって、次は札幌です。『ゴジラvsキングギドラ』からわずか3年で再建された「さっぽろテレビ塔」の上空を通過するスペースゴジラ。当ブログでは2度目の紹介です。前回は本編で使用されている情景カットが『vsキングギドラ』の未使用カットではないかと考察しました。詳しくはこちらの記事をご参照いただければと思います↓

特撮ロケ地巡り~札幌編③(テレビ塔~その2)
http://tokusatsu.way-nifty.com/blog/2013/08/2-7ea4.html

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本編で手前に映る噴水は、「大通公園西4丁目噴水」です。このテレビ塔の方角から180度振り返ると……

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『ガメラ2 レギオン襲来』の舞台となった地下鉄大通駅の2番出入口(右写真の矢印)があります。

『ガメラ2 レギオン襲来』(1996)より
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ここも、当ブログで何度かご紹介しているロケ地です。

ゴジラ60周年ロケ地巡り~『ゴジラvsキングギドラ』①(福岡・札幌)
http://tokusatsu.way-nifty.com/blog/2015/09/60vs-b0c3.html

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そういえば中に入っていなかったなぁということで、今回は入ってみました(^^;)

(2015年5月12日・11月5日/2016年1月12日撮影)

◆特撮のDNA展
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最後に余談となりますが、この夏、明石市立文化博物館で開催されていた「特撮のDNA展」に行ってきましたので、そのレポートを少し。『ゴジラvsスペースゴジラ』に登場するキャラクターの造形物も多数展示されていました。

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今回注目したいのは、若狭新一さんが造形を手がけたリトルゴジラです。非常に愛くるしいキャラクターで大好きなのですが、公開当時の私は「そっちへ行ってしまったか!?」と正直思っていました…。

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ところが、当初は前作のベビーゴジラ寄りの、リアル路線のデザインだったそうです。川北監督がそれを敢えてファンシーな方向へ転換させたといいます。

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先の『平成ゴジラ大全』のインタビューで、「怪獣映画って女の子が見に来ないでしょう。女の子が興味を引くキャラクターを出さなきゃいろいろと難しいんじゃないかと。だからリトルはミニラを意識してネコ風にしてみたんです。ネコって女の子が喜ぶから」と語る川北監督。若い頃はわからなかったのですが、私もサラリーマンになり、小学生の娘を持つようになって、その判断が正しいことを理解できました。確かに、ベビーよりもリトルの方が娘の受けは良いです。平成ゴジラシリーズは、女の子がメインのターゲット層ではないにしても、お兄ちゃんや弟と一緒に見ることもあるでしょう。幅広い層に受け入れてもらうことが、シリーズの裾野を広げ、ヒットにつながるのだという狙いが川北監督にはあったのだと思われます。

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その結果は数字にも表れています。1984年の復活以降、常に日本映画の興行ベスト10入りを果たしていた平成ゴジラシリーズでしたが、本作の配給収入は16億5,000万円。1995年の日本映画ベスト2という好成績を残したわけですから、さすがは東宝生粋のサラリーマン監督(※注)です。

参考:1995年配給収入上位作品(一般社団法人日本映画製作者連盟Webサイトより)
http://www.eiren.org/toukei/1995.html

※注:冠木新一著『君もゴジラを創ってみないか』によると、「東宝本社では次長待遇、出向する東宝映像美術では映像製作室部長の肩書きを持つ」(当時)とありました

(2018年7月20日撮影)

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