ゴジラ60周年ロケ地巡り~『ゴジラvsメカゴジラ』④(幕張新都心)
前回の更新から、早くも半年以上が過ぎてしまいました…。
その間、ゴジラ史的には『GODZILLA 怪獣惑星』(2017年11月17日公開)と『GODZILLA 決戦機動増殖都市』(2018年5月18日)の2本が公開。この2作にはメカゴジラが登場するとあってか、2月4日に閉館した「TOHOシネマズ日劇」の特別イベント「さよなら日劇ラストショウ」では、メカゴジラにスポットを当てたオールナイト上映「メカゴジラナイト」が実施されました(昭和メカゴジラ2作と機龍2部作の上映)。また、その前段となる2月3日には『ゴジラvsメカゴジラ』が上映され、主演の高嶋政宏さん、大河原孝夫監督、富山省吾プロデューサーによるトークショーも行われました。
「ゴジラに出演した高嶋政宏、イジられまくった当時を述懐 日劇の閉館イベントで舞台あいさつ」(シネマトゥデイ 2018年2月4日付)
https://www.cinematoday.jp/news/N0098172
「高嶋政宏が『ゴジラ VS メカゴジラ』撮影時のエピソードを披?! “さよなら日劇ラストショウ”トークイベント レポート(ムビッチ 2018年2月4日付)
http://moviche.com/contents/news/56146/
メカゴジラといえば、今年春に公開されたスティーヴン・スピルバーグ監督の『レディ・プレイヤー1』にも登場。そのフォルムは『ゴジラvsメカゴジラ』の生頼範義版ポスターに登場するそれに近いものでした。
今年はまさにメカゴジライヤー。中でも『ゴジラvsメカゴジラ』に注目が当たった年といえるのではないでしょうか。今回はその『ゴジラvsメカゴジラ』クライマックスの舞台となった幕張新都心のロケ地巡りです。
◆千葉マリンスタジアム(ZOZOマリンスタジアム)
『ゴジラvsメカゴジラ』(1993)より
まずはラドンが幕張へ飛来するシーンから。前回ご紹介したレインボーブリッジ襲撃に続くシーンです。川北紘一特技監督は、『空の大怪獣ラドン』(1956)へのオマージュとして『ゴジラvsキングギドラ』(1991)で影の演出を再現しましたが、本作では念願のラドンを使っての再現。マリンスタジアムを覆う影の形がリアルで、進化していました。
「千葉マリンスタジアム」は、1990年に開場。1992年に千葉ロッテマリーンズの本拠地となりました。2010年にはQVCジャパンが施設命名権を取得して、翌2011年3月に「QVCマリンフィールド」と改称。その後、2016年に「ZOZOTOWN」を運営するスタートトゥデイが新たに命名権を取得して「ZOZOマリンスタジアム」となり、現在に至っています。撮影ポイントは上記マップ上の【①】です。
こちらのカットもマリンスタジアム前で撮影されています。街灯を頼りに位置合わせをしたのですが、木々の成長が凄いです。
先のマリンスタジアムのカットと同じ場所【①】で、「幕張メッセ」側にカメラを向けるとこのアングルになります。この一連の場面はデイシーンですが、シナリオ上では夜の設定になっていました。おそらく空撮の関係などで変更されたのではないかと。
続いてマリンスタジアムの近くに降り立つファイヤーラドン。間にメカゴジラの出撃シーンが入るとはいえ、急にナイトシーンに切り替わるので、やはり違和感は拭えないですね…。
幕張海浜公園交差点に架かる歩道橋【②】の上からのアングルが本編に近いです。
実景にラドンのフィギュアを合成してみました。ラドンが立っている場所は「幕張新都心ヘリポート」付近【③】です。
ゴジラが上陸したのもマリンスタジアム付近でした。先の歩道橋【②】からのアングルが本編に近いです。
メカゴジラと対峙するゴジラ。本編手前の歩道橋は、実物が忠実に再現されています。「幕張海浜公園橋」といい、1989年に完成しています。
「アパホテル&リゾート<東京ベイ幕張>」【④】のセントラルタワー高層階、マリンスタジアム側の部屋に宿泊すると、ゴジラとメカゴジラの位置関係がよくわかります。
マリンスタジアムを容赦なく横切るゴジラ。ちょうど花火が打ち上げられている場所が上陸ポイントと思われます。
(2013年6月12日/2016年6月7日・8日/2018年3月1日撮影)
◆免許センター交差点
ややシーンが前後しますが、幕張上空を旋回するラドン。免許センター交差点【⑤】で撮影されています。
ゴジラ上陸に人々が驚くシーンも同じ場所。周囲の景色はそれほど変わっていませんが、歩道橋の錆が時を感じさせます。ちなみに、本編ではゴジラが正面に出現したという想定になっていますが、実際の上陸ポイントは画面の右側になります。
(2014年6月10日撮影)
◆メッセモール
メカゴジラが降り立つのを「幕張メッセ」の「幕張イベントホール」越しに捉えたこのカットは、西エントランスの近くにある「ロイヤルガーデンコート」【⑥】からのアングルが近いです。
着陸したのは、幕張新都心の中心部にある遊歩道「メッセモール」付近。
スーパー戦隊シリーズやメタルヒーローシリーズ、仮面ライダーシリーズなど、1990年代以降の東映特撮作品で必ずと言って良いほど使用されているロケ地の一つです。現在、テレビ朝日系で放映中の『仮面ライダービルド』や『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』も例外ではありません。
『警察戦隊パトレンジャー Feat 快盗戦隊ルパンレンジャー もう一人のパトレン2号』(2018)より
『烈車戦隊トッキュウジャー』第11駅「闇の皇帝」(2014)より
極めて個人的な感想ではあるのですが、近年(といっても、もう4年前のことですが・・・)の作品では『烈車戦隊トッキュウジャー』でライト(演:志尊淳)たちが闇の皇帝ゼット(演:大口兼悟)と出会う場面が印象的でした。
実景に大胆に合成されたシャドーライナー。
トッキュウジャーの5人が、シャドーラインの幹部たちと初めて対面したのもここでした。
(2013年6月13日/2014年6月10日・11日/2018年3月1日撮影)
◆プレナ幕張
『ゴジラvsメカゴジラ』(1993)より
閑話休題。こちらはラドンの攻撃を受けてガルーダがビルに激突するシーン。ビルのミニチュアは、JR京葉線の海浜幕張駅前にある「プレナ幕張」【⑧】をモデルに作成されているようです。
ガルーダ墜落シーンでもう一つ注目したいのは、画面左手前にある公衆電話ボックスです。NTT東日本公式サイトの公衆電話インフォメーションから公衆電話の設置場所を検索できるようになっているので、海浜幕張駅周辺のボックスを検索してみました。
検索でヒットした中で、比較的本編のイメージに近そうな「プレナ幕張」近隣の公衆電話ボックスはこれでした。それは路線バスの「タウンセンター」バス停【⑨】のそばにありました。
(2013年6月12日撮影)
先ほどからと過去形で書いていますが、実はこの公衆電話ボックス、現在は撤去されてしまっているのです・・・。
映画公開から25年前。世の中は携帯電話の時代へと移り変わりました。
(2018年3月30日撮影)
さて、こちらはメカゴジラのプラズマ・グレネイドを受けたラドンが、海浜幕張駅【⑩】の方へと吹き飛ばされるシーンです。なんと、先ほどガルーダが激突したはずの「プレナ幕張」が復活!?
とどめを刺そうとラドンに歩み寄るメカゴジラ。ガルーダの激突よりも、こちらの方が先に撮影されたのでしょう。ちなみに、メカゴジラの左側に見える建物は「ホテルグリーンタワー幕張」です。前作『ゴジラvsモスラ』で、 三枝美枝と手塚雅子がコスモスの行方を追ってやってくるホテル(赤坂にあるという設定)の玄関のシーンが撮影されました。
ゴジラ60周年ロケ地巡り~『ゴジラvsモスラ』②・『メカゴジラの逆襲』①(東京・千葉)http://tokusatsu.way-nifty.com/blog/2016/08/60vs-b639.html
ラドンが幕張上空を飛んでいるシーンでは実物も映っています。
(2016年6月7日/2018年3月1日・30日撮影)
◆アパホテル&リゾート<東京ベイ幕張>(旧幕張プリンスホテル)
また順番が前後しますが、こちらはメカゴジラがラドンにメガバスターを浴びせるシーン。「幕張海浜公園」内の見浜園付近【⑪】からのアングルです。
メカゴジラのプラズマ・グレネイドの威力により吹き飛ばされたラドンが激突した高層ビルは、映画が公開された1993年春に竣工したばかりの「幕張プリンスホテル」です。設計者は、ゴジラシリーズにゆかりのある「東京都庁舎」や「横浜美術館」を手掛けた丹下健三さん。「幕張プリンスホテル」はその後、西武鉄道の事業再構築の一環としてアパグループに売却され、2006年7月から「アパホテル&リゾート<東京ベイ幕張>」となりました。
こちらは「アパホテル&リゾート<東京ベイ幕張>」セントラルタワー棟から望んだ稲毛海岸方面の眺めです。見浜園の向こうに広がる幕張ベイタウンのマンションからは、映画本編と同じようなアングルが毎日拝めるのでしょうね(^^;)
(2014年6月13日/2016年6月7日撮影)
◆メッセ交差点
「幕張プリンスホテル」の瓦礫の下敷きになったラドンに近づこうとするメカゴジラ。メッセ交差点越しのアングルです【⑫】。
(2013年6月11日撮影)
◆海浜幕張駅
ラドンは渾身の力を振り絞って反撃しますが、メカゴジラによる2度目のプラズマ・グレネイドの直撃を受け、先ほどの「プレナ幕張」の屋上をかすめ、海浜幕張駅【⑩】の北口付近に墜落します。
(2016年6月7日撮影)
◆ワールドビジネスガーデン
幕張といえばこの双子のビル、というほど幕張新都心のランドマークとも言うべき存在感を示す「ワールドビジネスガーデン」【⑬】。マリブイーストタワーとマリブウエストタワーの2棟からなるツインタワーで、1991年に完成しています。
ランドマークということで、ご多分にもれず、本作ではゴジラとメカゴジラの闘いに巻き込まれてしまいます。
上空からのカットは「アパホテル&リゾート<東京ベイ幕張>」セントラルタワー棟の高層階から、地上からのカットは幕張海浜公園交差点【②】からの眺めが本編に近いです。
(2018年3月1日撮影)
◆幕張メッセ
闘いの中でゴジラに投げ飛ばされる重量15万トンのメカゴジラ。倒れこんだのは「幕張メッセ」の国際展示場5~8ホール付近です。光線合戦の印象が強い川北演出ですが、本作は肉弾戦も結構多い気がします。
「アパホテル&リゾート<東京ベイ幕張>」のセントラルタワー棟から「幕張メッセ」を眺めると、ゴジラとメカゴジラのスケールを感じることができます。「ワンダーフェスティバル」や「東京ゲームショウ」「CEATEC JAPAN」などの大型イベントが開催されている「幕張メッセ」は、1989年に開業。私も仕事柄「Interop Tokyo」や就職フェア、会社のイベントなどで毎年お世話になっています。
反撃に出るメカゴジラ。こちらは「幕張海浜公園」【⑭】側から見たアングルです。
Gクラッシャーに倒れたゴジラがファイヤーラドンと融合したのは……
中央エントランスから「幕張イベントホール」にかけた辺りでしょうか。
甦ったゴジラが放つ炎の熱線とメカゴジラが放つメガバスターの一騎打ち。マリンスタジアム側からのアングルです【①】。
燃え上がるメカゴジラ。こちらは中央エントランス付近【⑮】からのアングル。
(2013年6月12日/2016年6月7日/2018年3月1日・30日撮影)
◆幕張新都心ヘリポート付近
コンテナに閉じ込められた五条梓とベビーゴジラを救出するGフォースの隊員たち。マリンスタジアムのすぐそば、浜田川を挟んだ「幕張新都心ヘリポート」付近【③】で撮影されています。
このヘリポート、現在は使用されている形跡がなく、だだっ広い空き地となっています。
ヘリポートのすぐ隣り、海側に面したところは運動広場となっています。
(2018年3月1日撮影)
◆幕張の浜
ゴジラ親子を見送る青木一馬(演:高嶋政宏)と五条梓(演:佐野量子)、大前博士(演:川津祐介)。その場所はヘリポート横の運動広場ではなく、マリンスタジアムに近い「幕張の浜」【⑯】でした。
写真では綺麗な海岸に見えますが、実際には結構ゴミが散らかっていて、撮影中はカラスにカバンを狙われてしまいました…。
(2015年6月10日/2016年6月8日・10日撮影)
・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆
さて、最後は恒例のオマケです。
左から特別前売券(半券)と今はなき地元の映画館「高槻セントラル」の特別割引券、そして我が家に残る書籍関係です。書籍は左上から……
・劇場パンフレット
・『東宝SF特撮映画シリーズVOL.8 ゴジラvsメカゴジラ』(東宝出版・商品事業室、1993年12月11日初版)
・『ENCYCLOPEDIA OF GODZILLA ゴジラ大百科[メカゴジラ編]』(学習研究社、1993年12月10日発行)
・『スクリーン特編版 ゴジラvsモスラ特集号』(近代映画社、1993年12月20日発行)
・『宇宙船文庫 ゴジラvsモスラ』(朝日ソノラマ、1993年12月10日初版)
・『かつどう屋たちのないしょ話 ゴジラの咆哮』(NTTメディアスコープ、1993年12月25日初版)
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