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2015年12月14日 (月)

ゴジラ60周年ロケ地巡り~『ゴジラvsキングギドラ』③(福岡・札幌~その2)

今年10月と11月、また福岡と札幌へ出張の機会に恵まれたので、『ゴジラvsキングギドラ』でまだ巡れていなかったスポットを中心にロケ地を探訪してきました。

◆中洲周辺
『ゴジラvsキングギドラ』(1991)より
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ここ最近の福岡出張は博多駅周辺での仕事が多かったのですが、今回の出張は久々に中洲川端周辺でのお仕事ということで、宿はキングギドラの影が映るこの「福博であい橋」のカットを撮影したと思われる、「博多エクセルホテル東急」さんに決定。これまで何回もアプローチしてきましたが、今回は川沿いの、しかも割と上層階のお部屋ということで、「やったぜエミー!」と思わずガッツポーズ
どうでしょう。本編はさらに上の階、もしくは屋上から狙っているようですが、ポジション的には近いと思いませんか?

『空の大怪獣ラドン』(1956)より
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こちらも、もはや恒例となっていますが、「西大橋」のラドンの襲撃カットと現地写真の比較です。前回訪れたのは夜だったので…。

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花関ビル」の跡地に建った新しいテナントビル「prato NAKASU(プラート中洲)」です。

◆長浜
『ゴジラvsキングギドラ』(1991)より
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ここからは新ネタです。早朝、仕事前に少し足をのばして長浜へとやってきました。博多港に架かる斜張橋は、福岡都市高速道路の「荒津大橋」(1988年完成)です。

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本編で手前に映る倉庫群は近年取り壊され、現在はマンションになっています。

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屋台『らごす』があったとされる場所付近。

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映画公開当時空き地だった場所は、「長浜鮮魚市場(福岡市中央卸売市場鮮魚市場)」の駐車場出入口となっています。

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本編は高所から俯瞰で撮影されていますが、位置的には向かい側のおそらくこのいずれかの建物から撮影されたものと思われます。

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この周辺は、夜はいわゆる長浜屋台として有名なスポットですが、福岡市の条例によって午前4時には完全撤収する決まりとなっているそうです。私が訪れたのは午前7時過ぎでしたが、通勤の車がビュンビュン通る普通の街といった感じで、ここが屋台街だと言われなければそれとは気づかないような雰囲気でした。

(2015年10月22日撮影)

◆大通公園①
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続いて札幌へ。熱線を吐くゴジラの左手に「たくぎん」と書かれた看板を掲げたビルが見えます。1997年に経営破綻してしまった北海道拓殖銀行です。本編のビルは、位置的にはその旧本店と思われますが、ウィキペディアの写真を見ると、建物の形状は実際とは大きく異なっていたようです。

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北海道拓殖銀行は北洋銀行に営業譲渡され、現在は「北洋大通センター(大通ビッセ)」となっています。

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ゴジラを迎え撃つメーサー舞台の目線です。朝ですが7:00を狙ってみました。

『日本沈没』第20話「沈みゆく北海道」(1975)より
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こちらは『ゴジラvsキングギドラ』の川北紘一特技監督が特撮を担当した、テレビ版『日本沈没』の第20話から。大通公園に濁流が押し寄せるこのカットは、偶然にも旧北海道拓殖銀行(現「北洋大通センター」)の上空付近からのアングルです。

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同じく第20話から。放映から40年経ちますが、当時の面影が残っていて感動。本編左下に見えるアンテナ塔は、ゴジラが破壊した「北海道電力(通称「ほくでん」)」の本店ビルにあるものです。詳細はこちら↓

ゴジラ60周年ロケ地巡り~『ゴジラvsキングギドラ』①(福岡・札幌)
http://tokusatsu.way-nifty.com/blog/2015/09/60vs-b0c3.html

◆札幌市時計台
『日本沈没』第20話「沈みゆく北海道」(1975)より
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『ゴジラvsキングギドラ』にも札幌を象徴するイメージカットとして登場し、先の記事でもご紹介した「札幌市時計台」。(2013年4月23日撮影)

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今は背後にビルが映り込んでしまいます。

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崩れる時計台はミニチュアで再現されていますが……

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同じアングルだと、実際にはイチョウの樹に隠れて見えませんでした。

『仮面ライダー』第23話「空飛ぶ怪人ムササビードル」(1971)より
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こちらは、つい先日Blu-ray BOXが発売されたばかりの『仮面ライダー』から。こうして本編を見ると、右手奥にある札幌市役所本庁舎を、手前の樹でわざと隠しているようにも見えます。

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庭の様子は変わっていますが、門柱自体はそのままのようです。後ろの樹は太くなっているのがわかります。

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やはり、滝(演:千葉治郎)で市役所を隠している?
高知の「はりまや橋」や沖縄の「守礼門」(ほかにも長崎の「オランダ坂」など諸説あり)と並ぶ“日本三大がっかり名所”の一つと言われるだけに、スタッフの苦労がうかがえます。

◆さっぽろテレビ塔
『仮面ライダー』第23話「空飛ぶ怪人ムササビードル」(1971)より
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続いて「さっぽろテレビ塔」へ。エレベーターや1Fの売店の位置が変わっています。今回は週末金曜日の出張だったので、オフの土曜日を利用してようやく登ることができました。

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「ナショナル」の看板は「Panasonic」へ。『ゴジラvsキングギドラ』で破壊されたときも「ナショナル」でした。時代の流れを感じます。

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南側の景色。こうして比べてみると、随分都会になっています。ちなみに札幌市は、1972年に政令指定都市になっています。

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望遠鏡はテレビ望遠鏡に。大通側の北西角で撮影したのですが、梯子状の鉄骨の向きがどうも一致しません。

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望遠鏡はありませんでしたが(撤去された?)、南西角のこの場所の方が本編に近い気がしました。

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この切り返しカットも北西角ではこんな感じですが……

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南西角の方が本編に近いような気がします。奥に見えるのが、先ほどの北西角の望遠鏡です。それにしても、こうやって内部ばかり撮影していたので、結構怪しまれた(^_^;)。

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順番が前後しますが、テレビ塔から大通公園を眺めたカットです。44年も経つと、山の形以外はほとんど変わってしまっています。

『ガメラ2 レギオン襲来』(1996)より
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こちらは19年前との比較です。紅白の塔が立つNTTの「大通4丁目ビル」は、「北洋大通センター」に隠れてしまいました。

『日本沈没』第20話「沈みゆく北海道」(1975)より
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テレビ版『日本沈没』では、大通公園がミニチュアセットで描かれていました。多少デフォルメされていますが、左手の角の「道銀ビルディング」や中央奥に見える、以前にもご紹介した「聖恩碑」などはしっかり再現されています。

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こちらが「道銀ビルディング」です。竣工は1964年8月ということで、札幌では古株のビルです。(2016年1月12日撮影・追記)

◆大通公園②
『日本沈没』第20話「沈みゆく北海道」(1975)より
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沈没騒ぎで雪まつりが中止になったにもかかわらず、頑なに雪像を作り続ける酔っ払いのオヤジ。この「日本」という雪像は、先ほどのミニチュアで再現された大通公園のカットでは画面の中央手前にあります。そこはちょうど札幌駅前通りと噴水の間ということになるのですがw。(2015年5月12日撮影)

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後日、同じ場所を訪れてみると「第67回さっぽろ雪まつり」の準備が行われていました。足場まで組まれてさすがに立派なものです。(2016年1月12日撮影・追記)

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例によって脱線しまくっていますが、もう少しお付き合いを。こちらは避難命令が出された札幌市内のシーンでの大通公園。大通西6と西7の中間辺りで、本編と枝ぶりがほぼ一致する樹を発見しました。現在、この位置からテレビ塔は見えませんが、ここからもう少し先の大通西6の方へ進むと……

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本編と同じようにテレビ塔と「聖恩碑」があります。

◆西八丁目駅
『日本沈没』第20話「沈みゆく北海道」(1975)より
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続いて、松川首相の緊急記者会見のシーンにインサートされる、札幌市電の「西八丁目駅」。先の「聖恩碑」から歩いて6分ほどのところにあります。

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本編に映るのは「西四丁目方面ゆき」のホームですが、周囲の街並みに当時の面影はまったくありません。

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反対側の「すすきの方面ゆき」のホームだと、まだ割と当時の様子に近い気がするのですが…。それにしても、なぜこの駅を映したのかは謎です。

◆月寒学院(現・八紘学園)
『日本沈没』第20話「沈みゆく北海道」(1975)より
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さらに謎なのが、「西八丁目駅」に続いてインサートされる中央バスの「月寒学院前停留所」です。このバス停は現存しません。

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月寒学院は、1976年に「学校法人 八紘学園 北海道農業専門学校」となっており、札幌市中心部からは約7kmも離れたところにあります。なぜそんな場所にあるバス停が映し出されたのでしょうか?

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よく調べてみると、本編7分54秒付近に出てくる、いかにも北海道らしい牛舎のカット。実はこれが月寒学院(当時)の敷地内で撮影されていたことがわかりました。

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本編では右手奥に見える「北海道立産業共進会場(ケーズデンキ月寒ドーム)」から左側へとカメラはパンしています。

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後半の特撮シーンでは、牧場に濁流が押し寄せる特撮カットありますが、ミニチュア作りの参考にもされていたかもしれません。

『ゴジラvsキングギドラ』(1991)より
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ちなみに『ゴジラvsキングギドラ』のこのカットは、1991年に発行された『最新ゴジラ大百科 ENCYCLOPEDIA OF GODZILLA』(学研)に掲載されている、鈴木健二チーフ助監督による特撮撮影日誌によると、北海道ロケの最終日に恵庭の牧場で撮影されたとのこと。八紘学園ではありませんでした。

(一部を除き2015年11月6日・7日撮影)

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※フィギュアを使用したイメージです。

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