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2015年7月10日 (金)

ゴジラ60周年ロケ地巡り~『ゴジラvsビオランテ』⑤(北摂エリア)

前回から早くも1か月以上過ぎてしまいましたが、引き続き『ゴジラvsビオランテ』から大阪・北摂エリアのロケ地を巡っていきます。

◆万博記念公園駅(ホテル阪急エキスポパーク前)
『ゴジラvsビオランテ』(1989)より
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大阪ビジネスパークを後にしたゴジラは、万博記念公園周辺を通って若狭湾へ向かったようです。本編で「太陽の塔」の手前に見える建物は、大阪モノレールの万博記念公園駅です。私事ですが、黒い煙が上がっている付近に自宅があります(^_^;)

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こちらは万博記念公園駅から撮影ポイント(黄色の矢印)を見た写真です。「ホテル阪急エキスポパーク」前で撮影されています。【A】

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先ほどの比較写真を見てもおわかりのように、現在は駐車場との境に植えられた木々が成長していて、本編と同じポジションからの撮影は困難でした。

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それにしても、「太陽の塔」を入れ込みたいならもっと良い場所があるのに、なぜあの場所からの撮影だったのでしょうか。
ちなみに、こちらの写真は万博記念公園駅から撮影したものですが、右手奥に球体の遊具が見えます。その付近には、1970年の大阪万博会期中は「三菱未来館」がありました。

「EXPO'70パビリオン」展示模型
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「三菱未来館」では、「日本の自然と日本人の夢」をテーマに、円谷英二特技監督率いる東宝の特撮スタッフが手掛けた映像が上映されていました。暴風雨、火山の噴火から暗黒の宇宙、海底基地から見た海の神秘、未来都市などが、伊福部サウンドとともに、当時の最新技術で映し出され、動く歩道で疑似体験できる人気のパビリオンだったようです。


なお、伊福部昭さんの楽曲の一部は、先述のとおり『地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン』にも流用されています。また、映像は『ハワイ・マレー沖海戦』のDVDに映像特典として収録されています。円谷監督は、この「三菱未来館」向けの映像製作中に体調を崩し、逝去されたとのことです。

(2013年8月17日/2015年5月13日・5月30日撮影)

◆万博記念ビル(旧協会本部ビル)
『ガメラ対大魔獣ジャイガー』(1970)より
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さて、少し脱線したついでに、大阪万博が舞台となった他の特撮作品のロケ地もご紹介しておきたいと思います。まずは大阪万博開幕の一週間後、1970年3月21日に公開された『ガメラ対大魔獣ジャイガー』より、「エキスポタワー」から万博会場へとパンするこちらのカット。手前に見える建物は「万博記念ビル」です。【B】

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大阪万博開催当時は協会本部でした。現在は万博記念公園の事務所として健在です。撮影が行われた場所は「万博記念ビル」裏手の雑木林付近からだと思われます。

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その場所が撮影当時はどのようになっていたのかを知るために、万博記念公園内にある、かつての「鉄鋼館」を利用した記念館「EXPO'70パビリオン」に行ってみました。

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展示されていた会場模型を見てみると、「万博記念ビル」の裏手に展望スペースがあるのを確認できました。

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さらに、1971年に上空から撮影されたパネル写真も発見。

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本編カットと見比べると、やはりその展望スペースから撮影されたと見て間違いなさそうです。カメラがパンをし終えたところで、左手前に見える建物は「プレスセンター」です。1980年代に解体され、1990年に大阪府の外郭団体が運営する「オオサカサンパレス」が開業。2007年に現在の「ホテル阪急エキスポパーク」となりました。

(2015年5月13日・5月30日撮影)

◆旧中央バス団体入口・千里橋
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沢田圭介(演:炎三四郎)が弘(演:高桑勉)に万国博覧会の概要を説明するシーンです。本作は工事中の万博会場が舞台となっていました。【C】

「EXPO'70パビリオン」パネル写真より
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本編のカットは、「中央団体バス駐車場」(現・万博記念公園中央駐車場)と会場をつなぐ歩道橋の上で撮影されていたと思われます。

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その歩道橋は、現在は撤去されています。

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場内アナウンスで呼び出しを受ける沢田圭介。照明灯は当時のままです。奥に見える橋は「千里橋」です。

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塗装は変わっていますが、こちらも当時のままです。【D】

(2013年8月17日/2015年5月30日撮影)

◆旧エキスポランド・エキスポタワー周辺
『仮面ライダー』第7話「死神カメレオン 決斗!万博跡」(1971)より
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『仮面ライダー』では、万博会場に隣接する遊園地「エキスポランド」でロケが行われていました。地元の人間としては、「エキスポランド」は万博閉幕後も営業していたので、“万博跡”というサブタイトルに若干違和感があったのですが、調べてみると、「エキスポランド」が営業を再開したのは1972年3月15日からでした。つまり、休園中に撮影していたので“万博跡”だった、ということらしいです。納得。【E】

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この写真は2013年8月に撮影しました。「エキスポランド」は、2007年5月のジェットコースター事故の影響で来場者数が激減し、2009年2月に閉園しました。

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現在、跡地には大型複合施設の建設が進められています。

「エキスポランド跡地に『エキスポシティ』 今秋開業」(朝日新聞デジタル)http://www.asahi.com/articles/ASH3T5VCXH3TPTIL02W.html

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こちらは、本郷猛(演:藤岡弘)が人質となった立花藤兵衛と緑川ルリ子を救出に向かうシーン。撮影場所は、万博記念公園駅から公園南口へと続く階段です。本編は「エキスポランド」敷地内から撮影されているようです。道幅は当時よりも狭くなっています。【F】

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奥に「太陽の塔」が見えるこのカット。本編の右手に見える建造物は現存しません。

「EXPO'70パビリオン」展示模型
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万博開催当時、「太陽の塔」と「エキスポタワー」は動く歩道で結ばれていたそうですが、その施設の一部でしょうか。

『仮面ライダー』第7話オープニングより
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この階段では、1クールのオープニング映像も撮影されています。

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奥に「エキスポタワー」が見えます。

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「エキスポタワー」は1990年9月に営業を終了しました。その後10数年放置状態となり、老朽化のため、2002年から翌年にかけて解体・撤去されました。【G】

(2013年8月17日/2015年3月21日・5月13日・5月30日撮影)

『仮面ライダー』第7話「死神カメレオン 決斗!万博跡」(1971)より
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垂直に立てられた3本の柱と多面体の展望室が特徴的だった「エキスポタワー」は、高さ127mと決して高くはありませんでしたが、海抜65mの千里丘陵の上に建っていたこともあり、大阪の至るところから目につく存在でした。私も幼い頃に、一度だけ上ったことがありますが、非常に見晴らしが良かったことを覚えています。

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「エキスポタワー」に捕えられた立花藤兵衛(演:小林昭二)と緑川ルリ子(演:真樹千恵子)。階段の様子も含め、在りし日の「エキスポタワー」の様子は、こちらのサイトで詳しく紹介されています。

エキスポタワー写真館
http://homepage1.nifty.com/forever70s/expotower/index.html

◆旧ソ連館・千里ニュータウン
『ガメラ対大魔獣ジャイガー』(1970)より
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再び『ガメラ対大魔獣ジャイガー』に戻ります(ゴジラの話はどこへやら…)。大阪万博の会場が舞台となる本作ですが、本編に登場するミニチュアは「ソ連館」のみでした。

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こちらは映画の序盤で紹介される本物の「ソ連館」。私は大阪万博の後に生まれた世代なのでよくわからないのですが、レーニン生誕100周年ということで、かなり力の入ったパビリオンだったそうです。

「EXPO'70パビリオン」より
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宇宙開発の展示などに人気があり、入館者数は「月の石」が展示されていた「アメリカ館」を抜いてNo.1だったとか。

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さて、この「ソ連館」の位置を頼りに、ガメラとジャイガーが戦った場所を推測してみたいと思います。

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まず、「ソ連館」の位置を把握するために、「EXPO'70パビリオン」のショップで販売されていた「日本万国博覧会公式ガイドマップ(復刻版)」を購入してみました。このマップから、「ソ連館」は万博会場の北口側にあったことを確認。

国土地理院ホームページ 空中写真MKK712X-C2-15(1971/05/09)よりトリミング加工
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次に、万博開催当時の空中写真は見つからなかったので、翌1971年の空中写真に「ソ連館」の位置を重ね合わせてみました。本編では、2大怪獣の背後に千里ニュータウンの一部と思われる団地のミニチュアが置かれていましたが、それらは「府営千里藤白台住宅」と「府営古江台住宅」辺りではないかと思われます。【H】

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こちらは現在の「府営古江台住宅」です。本編と比較してみると……

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どうでしょう。ミニチュアとかなり雰囲気が似ていると思いませんか?

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こちらは、低周波を発するスピーカー作戦で苦しむジャイガーが変電所を襲うシーンですが、この変電所もあながち架空のものではなかったようです。

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先ほどの「日本万国博覧会公式ガイドマップ(復刻版)」によると、「ソ連館」の南西すぐ近くに「西変電所」という施設があったようなのです。ただ、先の1971年に撮影された航空写真(MKK712X-C2-15)にはそれらしいものが写っていなかったので、閉幕後すぐに取り壊されたのかもしれません。

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現在、その場所は「万博テニスガーデン」となっています。【I】

(2015年5月30日・5月31日撮影)

『ウルトラマン』第26話「怪獣殿下 前篇」(1967)より
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ちなみに、『ウルトラマン』の「怪獣殿下 前・後篇」は、古代怪獣ゴモラが万国博覧会に生きたまま出品されようとする話で、大阪が舞台でした。この回に登場する少年・怪獣殿下の住む団地は、千里ニュータウンという設定だと思われますが、実際のロケは東京都調布市内の団地で行われていたようです。

参考
ウルトラシリーズロケ地探訪 http://www.ultraloc.org/
光跡 http://members.jcom.home.ne.jp/qqq7/

◆国立循環器病研究センター
『ゴジラvsビオランテ』(1989)より
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閑話休題。『ゴジラvsビオランテ』に戻ります。先ほどの「府営古江台住宅」を北へ上がったところにある北千里の「国立循環器病研究センター」は、関空建設基地でゴジラと精神感応戦を繰り広げ、意識を失った三枝未希が入院していた病院の外観として使われました。

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「国立循環器病研究センター」は、その名の通り循環器病を専門とする日本で最先端の医療機関です。【J】

(2013年8月17日撮影)

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ただ、院内で撮影されたカットをよく見ると、「国立循環器病研究センター」にはない、「耳鼻咽喉科」「気管食道科」や「眼科」の表札が見えるので、院内は別の病院で撮影されているのではないかと思われます。

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このシーンでの、桐島一人(演:三田村邦彦)と大河内明日香(演:田中好子)の会話によると、ゴジラが「北大阪変電所」をつぶしたことが停電の原因だとされています。

◆関西電力 北大阪変電所
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これが実際の「北大阪変電所」です。黒部ダムで発電された電気を大阪府北部から兵庫県南東部のエリアに送電する重要な施設です。本編には大河内明日香の台詞に出てくるだけで、映像は出てきません。【K】

(2014年4月5日撮影)

『三大怪獣地球最大の決戦』(1964)より
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黒部ダムといえば、『三大怪獣地球最大の決戦』では、付近の渓谷にキングギドラが潜む巨大隕石が落下しており、ゴジラ映画にとってはゆかりのある場所です。

『大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン』(1966)より
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また、その2年後にはガメラによって破壊されました。ゴジラだけでなく、ガメラにもゆかりのある場所でした。このとき、大阪方面への送電は完全にストップしたはずですが、本編を見る限り、その影響は少なかったようですw

脱線だらけで、もう何が何だかよくわからないことになってしまいましたが、最後に恒例のオマケです。

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劇場パンフレットと前売券です。

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梅田劇場(現・TOHOシネマズ梅田)で押した観賞記念スタンプ。当時は入替制ではなかったので、2回は観たと思います。

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特別前売券とその裏側。懐かしい劇場名が並んでいます。

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我が家に残る書籍関係です。どれもマニアックで、未だに愛読しています。
左上から……

・『スクリーン特編版 ゴジラvsビオランテ特集号』(近代映画社、1990年1月10日発行)
・『ENCYCLOPEDIA OF GODZILLA ゴジラ大百科』(学習研究社、1990年1月1日発行)
・『宇宙船文庫 ゴジラvsビオランテ』(朝日ソノラマ、1989年12月30日初版)
・有馬治郎著 『ゴジラvsビオランテ』(角川文庫、1989年12月10日初版)
・『最新ゴジラ大図鑑 ゴジラ映画35年史』(バンダイ、1990年4月10日二刷)

1986
つづいて我が家に残っていた新聞記事のスクラップから。日付は不明ですが朝日新聞の記事です。レイモンド・バーが出演する1984年版『ゴジラ』の海外版、すなわち『GODZILLA 1985』が公開されたのが「昨年」とあるので、1986年頃の記事だと思われます。興味深いのは、田中友幸プロデューサーへの取材をもとに書かれた記事であることはもちろんですが、「第十七作目は六十三年正月公開を目標に準備中」と書かれている点。そして、公募したストーリーに「最新の遺伝子工学」や「超能力もの」が目立ったとの記載がある点です。結果的に公開は1年延びましたが、『ゴジラvsビオランテ』のストーリーに関する重要なヒントが散りばめられていたという貴重な記事です。

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こちらは1989年9月17日付の朝日新聞より。小さな記事でしたが、いよいよ製作が本格的に進みだしたのだと、わくわくしたのを覚えています。

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1989年10月27日の新聞広告。

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1989年12月20日付の朝日新聞夕刊より、今は亡き川北紘一特技監督へのインタビュー記事。

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こちらはビデオソフトの新聞広告。夏休みだったので、レンタルリリース日に近所のレンタルショップへダッシュしたものの、誰かに先を越されて落胆したのを覚えています…。

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※フィギュアを使用したイメージです。

 

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