特撮ロケ地巡り～京都編④（ゴジラ、京都で迷走か!?）

毎年秋になると、大学時代のゼミの同窓会が京都で催されます。同窓会ついでに京都でロケ地巡りをするのも昨年からのマイブーム。ということで、今回は『ゴジラvsメカゴジラ』のロケ地を中心に探訪しました。

◆三条大橋
『ゴジラvsメカゴジラ』（1993）より

左側の木々に視界を遮られてはいるものの、街並みは公開当時とそれほど大きな変化はありません。劇中、ベビーゴジラを探し求めて四日市から上陸したゴジラは、鈴鹿サーキットを経て鈴鹿山中でＧフォース・メカゴジラと一戦を交えた後、京都へ向かいます。京都に入ったゴジラは、東寺の脇をかすめ、昨年ご紹介した「京都タワー」を破壊し、北上。この三条大橋付近にやってきます。ただ、その後もさらに北上するかと思いきや、なぜかゴジラは五条付近まで下り、清水寺に寄り道をします。

◆清水寺

「奥の院」から見た「本堂」に迫るゴジラ。映画の1年ほど前に、地元の京都銀行のCMにゴジラが出演したことがありましたが、そのときもこのアングルだったように思います。手前の欄干が鉄製の味気ないものになってしまっていますが、これは「奥の院」が改修工事中だったためです。

右手が改修中の「奥の院」。

TV版『日本沈没』13話「崩れゆく京都」（1974）より

話が逸れますが、こちらはTV版『日本沈没』で崩壊する「本堂」。これも同じく「奥の院」からのアングル。

京都の空に不気味なオーロラが現れるというシーンは、「本堂」を下から見上げたアングルでした。本編と同じ角度からと思ったのですが……

とにかく木々が生い茂っていて「本堂」が見えないのです。それにしても、秋の京都はいいものですね。

◆二年坂
『ゴジラvsメカゴジラ』（1993）より

閑話休題。二年坂に顔を出すゴジラ。清水寺を訪れたゴジラは、再び北上を開始するわけですが、地理的に身長100mのゴジラがこのように顔を出そうとすると、体の大半は地中に埋まっていることになります。ところで、現地を訪れたとき、何か違和感があるなと思っていたら、電柱や電線がなくなっていました。右手のお店の感じも変わっています。

こちらは、10年前の2003年11月に撮影したものです。この頃はまだ、本編とそれほど大きな違いはありませんでした。

『CINEMAチップス』（1993）より

家のビデオテープを整理していたら、『ゴジラvsメカゴジラ』公開当時に大阪の毎日放送（MBS）が放送していた『CINEMAチップス』という番組の録画ビデオが出てきました。

京都ロケに密着しています。

工事中のブルーのシートが張られているところに、ミニチュアとゴジラを合成したんですね。アナログ時代の見事な合成カットです！

◆出雲路橋
『ゴジラvsメカゴジラ』（1993）より

ゴジラは、ベビーゴジラがいる「生命科学研究所」を目指し、鴨川の上流へ進みます。

このカットは、下鴨神社の近くにある出雲路橋付近で撮影されています。

「生命科学研究所」は架空の建物ですが、その所在地について川北紘一特技監督は『東宝SF特撮映画シリーズ VOL.8 ゴジラvsメカゴジラ』（東宝 出版・商品事業室発行）の中で次のように述べています。

「いろいろ俺もロケハンしたときに、京大のとこにするかとも思ったんだ。あそこに設定しようかなと。でも、あれ市内じゃない。いやぁこれは無理だなと。結局僕がイメージしたのはあっち、なんだっけ国際会議場のあるとこ。」

「国際会議場」というのは、宝ケ池にある「国立京都国際会館」のことです。ここは『ウルトラセブン』のロケ地としても有名な場所なのですが、それはまた次のロケ地探訪のテーマにしたいと思います。

最後に、ゴジラの進行推定ルートをおさらいです。

より大きな地図で 京都市内ゴジラ進行推定ルート を表示

（2013年11月2日撮影、一部11月16日撮影分追加）