特撮ロケ地巡り～大阪編①（中之島～その１）

前回、『ゴジラvsキングギドラ』と『ゴジラvsスペースゴジラ』の「2作品つながりで福岡へ飛びます」と書いたのですが、日本映画専門チャンネルの3カ月限定企画「特撮国宝-TOKUHO-」で放映中の『首都消失』を観ながら、「そういえば地元の大阪でロケ地巡りをしていなかったなあ…」ということに気がつき、急遽企画を変更することにしました（福岡編はまた秋頃に）。何せ、『気まぐれ特撮道』ですから(^^ゞ

というわけで、夏期休暇を利用して調査した大阪編のスタートです。

◆堂島関電ビルディング
『首都消失』（1987）より

タイトル後に出てくる大阪のシーン。公開当時に徳間書店から発売されていた『シナリオ版 首都消失』では、「シーン3　走る4WDジープ」とあります。山下真司演じる関西放送（シナリオの記載では「KSテレビ」）の報道部ディレクターが、名取裕子演じるフリー・キャスターの小出まり子を新大阪駅へ送る道中の場面です。本編では、どこかのビルやマンションの屋上から撮影していると思われるのですが、最近はセキュリティ上の問題もあり、さすがに同ポジというわけにはいきません。

ちなみに、ジープは阪神高速1号環状線を南の方へ走っていきますが、新大阪駅とはまったく逆方向へ向かっています。実際には、本編で手前に映るこの北浜ランプで下りて、梅新東から新御堂筋を北上する方が近いですw

ところで、今回注目したいのは、本編の右端に映るこの四角いビル。積水化学工業の大阪本社がある「堂島関電ビルディング」です。『ゴジラvsビオランテ』で「サラジア・オイル・コーポレーション」が入居するビルの外観として使われました。

『ゴジラvsビオランテ』（1989）より


大阪に上陸するゴジラから避難する人々を掻き分け、「♪探し物はなんですか～」と鼻歌を歌いながらビルの中へ入っていく自衛隊陸幕調査部の権藤（演：峰岸徹）と、生命科学研究所の桐島（演：三田村邦彦）。桐島が車を乗りつけた場所は、実は歩道でした。

『ゴジラ復活作戦』（1989）より

それを当時のメイキング映像で確認してみます。こちらは、『ゴジラvsビオランテ』の公開直前に、大阪の読売テレビが放送していた『ゴジラ復活作戦』という番組の録画ビデオです。過去のゴジラシリーズや『vsビオランテ』のメイキング映像を数日に渡って紹介してくれた、ファンにとっては有難い深夜の特別番組でした。この番組内で大阪ロケの様子が紹介されていたのですが……

はい、ご覧の通り歩道を走っています。

位置関係がわかるように、スマホのパノラマ写真機能でロケ現場を撮影してみました。車は矢印の方向に走っています。


再び、『ゴジラvsビオランテ』本編より。先ほど紹介した本編カットは、中之島の大阪市中央公会堂方面に架かる水晶橋から「堂島関電ビルディング」までを、クレーン撮影によって1カットで見せています。現在、ビルの向かいには「大阪地方検察庁分室」ができていて、当時のカメラ位置から水晶橋はほとんど見えなくなっています。

◆水晶橋
『ゴジラの逆襲』（1955）より

水晶橋は、シリーズ第2作『ゴジラの逆襲』で、脱走した囚人たちがゴジラから逃れる場面にも出てきます。現在は、橋の上を阪神高速1号環状線が通っています。ウィキペディアによると、環状線が開通したのは1964年とのことです。

ちなみに、大阪市のホームページによれば、「この橋は本来は昭和4年に完成した堂島川可動堰という、河川浄化を目的として建設されたゲート」だったそうで、法律上で橋と認定されたのは1982年（昭和57年）のことだそうです。

次回は、この水晶橋を渡った先にある大阪市中央公会堂、淀屋橋付近のロケ地をご紹介していきます（たぶん…）。

（2013年8月11日撮影、一部10月18日撮影分追加））