ゴジラ60周年ロケ地巡り~『ゴジラvsデストロイア』③(東京/品川・天王洲)
『ゴジラvsデストロイア』のロケ地巡り第3弾は、再び東京都内からお届けします。
◆しながわ水族館
『ゴジラvsデストロイア』(1995)より
『ゴジラvsビオランテ』(1989)以降のシリーズの常連、上田耕一さん演じる警備員が巡回するのは、京浜急行・大森海岸駅近くにある「しながわ水族館」本館地下1階のトンネル水槽です。約900尾の魚たちが泳ぐ姿を下から見上げることのできる、全長22mの海の散歩道です。
印象的な鏡張りの階段も健在。
本館1階から地下に降りる階段で、順路的には階段を降りた先にトンネル水槽があります。
異変が起きるのは「珍しい魚たち」コーナーです。本編と見比べると、内容はほぼ当時と変わっていないようでした。
水槽をのぞくと例の「水に喰われた魚がいた!」と思ったのですが、あとで本編を見ると違いました(笑)。この魚は、ムーンライターというオーストラリアに生息するカゴカキダイの一種なのだそうです。
警備員が異常な光景を目にした水槽は、現地でカップルがいる右隣の水槽と思われます。
館内に悲鳴が轟く場面に登場する水族館の外観。ショップができていました。
私が訪れたのは2015年ですが、Googleのストリートビューを見ると、現在はさらに様変わりしているようです。【①】
(2015年6月20日撮影)
◆品川駅
品川駅上空に飛来するデストロイア。ロケ地は以前、当ブログでご紹介しました。デストロイアはかなり低空を飛んでいますが、港南口(東口)側は再開発により、同ポジでは画面を埋め尽くすほどビルが林立しています。ぜひ過去記事でご確認ださい。撮影が行われた高輪口(西口)側も、国土交通省が2018年に次世代型交通ターミナルとして整備する構想を発表するなど、大きく変わろうとしています。この景色も今が見納めかもしれません。【②】
特撮ロケ地巡り~東京・品川編②(品川駅周辺)
http://tokusatsu.way-nifty.com/blog/2013/07/post-469b.html
新幹線の手前を避難民が走るカットは、現在の「京王品川ビル」付近です。ここも過去記事でご紹介しています。現在は、リニア中央新幹線の地下駅工事が行われています。【③】
◆東京国際クルーズターミナル・船の科学館周辺
三枝未希と小沢芽留のテレパシーに導かれ、東京湾内に入るゴジラジュニア。
「東京国際クルーズターミナル」に隣接する「潮風公園」南側エリアからのアングルと思われます。「潮風公園」は、東京2020オリンピックのビーチバレーボールの仮設会場として使用され、訪れたときは元の公園に戻す工事が行われていました。【④】
「東京国際クルーズターミナル」は、2020年9月にオープン。1993年に竣工したレインボーブリッジの桁下高の制約(52m)により、2つ前の記事でご紹介した特撮ロケのメッカでもある「晴海客船ターミナル」において大型クルーズ客船の受け入れが不可能となり、東京2020オリンピック・パラリンピックに合わせて建設されたそうです。「晴海客船ターミナル」の開業は1991年ですが、レインボーブリッジは当時すでに建設中だったはずで、こうなることは予測できたと思うのですが、バブルの時代は誰も気にしなかったのでしょうか。とにもかくにも、「東京国際クルーズターミナル」は「晴海客船ターミナル」に引導を渡した張本人であることは間違いありません。
さて、「東京国際クルーズターミナル」に隣接する「船の科学館」。ここもゴジラシリーズにとっては縁のある場所のようです。
『メカゴジラの逆襲』(1975より)
『ゴジラ 東宝チャンピオンまつりパーフェクション』(アスキー・メディアワークス)によると、桂(演:藍とも子)が一ノ瀬(演:佐々木勝彦)に会いに訪れる海洋開発研究所は、1974年に開館したばかりの本館で撮影されていたとのこと。
『ゴジラvsモスラ』(1992)より
『ゴジラvsモスラ』でコスモスを求めて湾岸に姿を見せたモスラのカットも、位置的におそらく「船の科学館」の本館から撮影されたものだと思われます。
残念ながら、本館は2011年10月以降展示を休止しているため、写真はゆりかもめの東京国際クルーズターミナル駅(2019年に船の科学館駅から改称)のホームで撮影しました。【⑤】
(2020年10月31日撮影)
◆天王洲アイル
『ゴジラvsデストロイア』(1995)より
「シーフォートスクエア」上空を飛来するデストロイア。人々が逃げるのは京浜運河を挟んで手前にあったクルーズ船(ザ・クルーズクラブ東京)乗り場の駐車場です。乗り場は2011年10月に、対岸の「シーフォートスクエア」側へ移転しています。
跡地はしばらく空き地でしたが、現在はマンションが建っています。【⑥】
『ゴジラvsデストロイア』台湾版予告編より
DVDに収録されている本編未使用カットです。駅の北側と首都高速羽田1号線を跨いで西側の「スフィアタワー天王洲」を結ぶ連絡通路で撮影が行われていました。【⑧】
『ゴジラvsデストロイア』(1995)より
再び本編に戻ります。こちらは「シーフォートスクエア」のセンターコートです。【⑨】
映画やドラマの撮影でよく使われており、この日も刑事物(?)の撮影が行われていました。
京浜運河沿いのボードウォークのカットでは奥にゴジラジュニアが合成されています。【⑩】
現在はマンションが建ち、「品川火力発電所」の煙突が見えなくなってしまいました。
付近のアパートの上層階から見た天王洲アイル全景。中央の高層ビル「天王洲ファーストタワー」が、ミニチュアでは小さいビルに置き換えられています。このビルは……